5月 6日 ヒンデンブルク号爆発事故(1937年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、ニューヨーク近郊のレークハースト空港に着陸しようとしていた大型のツェッペリン型飛行船「LZ129・ヒンデンブルク号」が、爆発・炎上し、36名の死者を出す大惨事となりました。

ヒンデンブルク号は、全長249メートル、最大径41メートルの船体に、50もの個室を備える世界最大の飛行船でした。ラウンジや読書室もあり、空の旅が格段に進化した船でした。

【写真】ニューヨーク上空を飛ぶヒンデンブルグ号
  ニューヨーク上空を飛ぶヒンデンブルグ号。飛行船黄金期の象徴 photo by gettyimages

関連の日:8月19日 飛行船「ツェッペリン号」が霞ヶ浦に寄航(1929年)

事故前年の1936年には17回もの大西洋横断飛行をこなし、翌1937年の第1回目の大西洋横断航路に就くために南アメリカをまわって、ニュージャージー州レイクハースト空軍基地に向かいました。

事故が発生したのは、レイクハースト着陸直前のこと。わずか37秒で火炎が機体を包み、乗客36人、乗組員61人のうち、乗客13人と乗組員22人が死亡、地上整備員も1人が死亡する大惨事になりました。

飛行船の浮揚ガスは、通常ヘリウムが使われますが、当時ヘリウムは高価で、より安価で浮揚力も高い水素で代用することがありました。アメリカは、ドイツにヘリウムを売り込もうとしていましたが、同じ頃に対ドイツへの禁輸政策がはじまったため、アメリからの供給がなされず、この時も水素を詰め込んでいたということです。

また外壁も、紫外線からの保護のためにアルミニウムと酸化鉄の混合物を塗布しており、激しく熱せられるといわゆる「テルミット反応(アルミニウムによる金属酸化物の還元方法。高温を発生する)」を起こすものでした。

飛行中に蓄積された静電気が、着陸時にロープが下ろされた瞬間に、十分に電気が逃げず、電位差が生じて放電が起こったことから外皮が発火・炎上した、と後にNASAの技術者が検証・報告しています。

この事故によって、飛行船の黄金期が終わり、現在に続く飛行機の時代が始まったとも言われています。

【写真】事故の様子
  爆破事故の様子。ラジオや映画取材も行われていたため、事故の様子はそのまま記録され、広く伝わることになった photo by gettyimages