2019.05.05
# 創薬

「薬の日」から「こどもの日」まで…5月5日にまつわる1400年の歴史

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

約1400年前の出来事から続く歴史

今日(5月5日)は「薬の日」と制定されています。その由来は古く、およそ1400年前に遡ります。

薬の日の由来はなんと『日本書紀』の記述にあります。611年のこの日、推古天皇が大和の兎田野(うだの)で、鹿茸(ろくじょう=鹿の若い角)と薬草を採取する薬狩りを行ったとされています。薬狩りは、この年以降、毎年の恒例行事となり、この日を「薬日(くすりび)」と呼ぶようになりました。

薬狩りと「薬日(くすりび)」にちなんで、全国医薬品小売商業組合会が1987年に制定したのが5月5日の「薬の日」です。

5月5日といえば「こどもの日」と「菖蒲湯(しょうぶ湯)」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? じつは、これも「薬日」と関係しています。当時の薬狩りで採取された薬草には、菖蒲や蓬(よもぎ)など、香りの強い植物が多く含まれていました。

菖蒲の香りは疫病や邪気を払うといわれ、5月5日の端午の節句に軒に飾ったり、枕の下に敷いて無病息災を祈願することが古くから行われていました。端午の節句が「菖蒲の節句」とも呼ばれるのはこのためです。

さらに鎌倉時代以降になると、「菖蒲」と「尚武」の音が同じであることから、端午の節句は男子の行事と捉えられるようになり、それが現在の「こどもの日」(1948年の祝日法によって制定)へとつながっていくのです。菖蒲湯に入る風習も室町時代には存在していたと言われます。

「5月5日」は実に長い歴史をもった一日だったのです。

【写真】ショウブ
  ショウブ(Acorus calamus)の花穂。紫の花をつける花菖蒲と混同されることが多いが、花菖蒲はアヤメ科の植物で、別種である photo by iStock

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