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金正恩にも批判された、韓国・文在寅大統領の哀しき窮地

トランプ大統領からもビンタをくらい…

トランプとの「2分間会談」の意味

朝鮮半島をめぐって先週末、いくつか重要な動きがあった。結論を先に言えば、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の「八方塞がり」と、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の「哀れな姿」が明らかになった。それが最大の成果である。

忙しい読者のために、米国と日本についても結論を書いておこう。米国のトランプ大統領は、北朝鮮に対して甘い顔を見せるつもりはまったくない。正恩氏が本気で非核化に動かなければ、厳しい制裁を続けるだけだ。むしろ、制裁を強化する選択肢も残している。

核とミサイル交渉が進展していないので、日本人拉致問題も動いていない。安倍晋三政権は当面、米国と歩調をそろえて制裁を継続する。ただ、安倍首相はトランプ氏に制裁強化を促す可能性もある。そのあたりは、来週の日米首脳会談で明らかになるだろう。

 

さて、先週は何が起きたのか、整理する。

韓国の文大統領は4月11日、米国を訪れ、ホワイトハウスでトランプ大統領と会談した。だが、とても「会談」と呼べる代物ではなかった。双方が夫人を同伴したうえ、時間もわずか2分間。通訳部分を除けば、実質1分である。なぜ、こんな事態になったのか。

トランプ氏が文氏をまったく信用していないからだ。ベトナム・ハノイで開かれた2月末の米朝首脳会談を前に、文氏は北朝鮮に対する制裁緩和を盛んに訴えていた。具体的には、金剛山観光開発と開城工業団地の操業再開である(3月8日公開コラム、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/63308)。

ハノイ会談が決裂に終わった後も、文氏はあきらめず、トランプ氏に制裁緩和を訴える腹づもりだった。ところが、トランプ氏は非核化の手順が何も決まっていないのに、制裁を緩和するつもりはない。それは今回、記者会見であらためて明らかになった。

トランプ氏は文氏との会談前、記者団に次のように語った。

「大統領、あなたは交渉を進めるために『小さな取引』を受け入れる用意があるか」との質問に、トランプ氏は「どんな取引なのか(中身を)見なければならない。さまざまな小さな取引がありうる。一歩ずつ前に進めることはできる。だが、現段階で我々は『大きな取引』を話し合っている。大きな取引とは、核兵器をなくすことだ」と語った(https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-president-moon-jae-republic-korea-bilateral-meeting/?utm_source=link&utm_medium=header)。

小さな取引とは、まさに文氏の主張そのものだ。「北朝鮮は核実験場を爆破したのだから、こちらも制裁を一部解除すべきだ」という話である。それに対して、トランプ氏は「非核化を本気で進めるような動きがなければダメだ」と明言した。

文氏の宥和路線は認められないから、会談をしても仕方がない。一言で言えば、トランプ氏は文氏に「オマエは信用できない」と言ったも同然である。往復ビンタを食らわせたようなものだ。それをトランプ氏は会見の形で、世界と正恩氏にはっきりと告げた。

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