2019.04.23
# Amazon # アリババ

中国・アリババの最先端ホテルに泊まってわかった、そのヤバい実力

アマゾンさえも出遅れている……
田中 道昭 プロフィール

1日47億件のビッグデータ

アリババが創業したのは1999年。わずか20年で最強のリテール帝国へと上り詰めようとしているわけだが、とくに親橙里でみたリアル店舗の先進性はスマホでのキャッシュレス社会をいち早く実現したアリババの強い自負心に満ち溢れている。その自負心はさらにスマホさえ不要とするIoT決済や顔認証決済という前人未到の領域に本格的にシフトしていこうとする気概につながっている。

では、こうした先進的なホテルやニューリテール、そしてAI×ビッグデータが織りなすアリババ発の「スマートシティ」とはどのようなものになるのか。

 

これまで見てきた通り、買い物客が行列をなしてレジに並ぶことはもはやなくなってしまうだろう。買い物した荷物は宅配で運ばれるので、店舗内で荷物のかさばる客同士がひしめき合うこともなく、歩道においても混雑が緩和されることになる。やがてバイドゥの自動運転バスやアリババも出資するディディのようなライドシェアなどの自動運転タクシーが走り出し、渋滞のない都市空間が生まれることになる。一方で過疎地においては人手不足からなる構造不況を解消することに繋がっていく。

キャッシュレスと自動化がサービスを縦横に広げ、それをAIが統括して、やがてはシェアリング化へと進むというのが筆者の見解だ。これが実現すれば、経済活力があらゆる分野から自然と湧き出てくる見たこともない世界が完成するのではないか。

スマートシティの根幹を支える自動化に伴う効率化や音声認識AIの精度の向上は、ビッグデータの集積がカギ。筆者はこの出張で中国政府の次世代AI発展計画を担っているAI企業であるアイフライテック社の副総裁と北京で懇談したが、そこで驚愕の数字を突き付けられた。リアルタイムで中国全土から同社に集積されるビッグデータ件数が映像ボードに表示されていたのだが、その数は1日47億件にも上っている。

しかし見誤ってはいけない。

中国の発展の肝はテクノロジーの進化だけではない。テクノロジーが社会実装されることによってインフラの整備が進み、貧困や経済格差、高齢化などの社会的課題が次々に解決されていることに真の成長の原動力があるのだ。実際、その課題解決のプロセスにおいて、全く新しい価値が次々と生み出されている。

中国を脅威と思うのであれば、一刻も早く中国と日本の差をベンチマークしておくことが重要となるだろう。中国の進化から目を背けることは、もはやできないのだ。

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