2019.04.23
# Amazon # アリババ

中国・アリババの最先端ホテルに泊まってわかった、そのヤバい実力

アマゾンさえも出遅れている……
田中 道昭 プロフィール

アマゾンも凌駕する「ニューリテール」の世界

ちなみに、各店舗の店員たちは、その日のおすすめ商品をプレゼンしてその模様を生放送でアリババの動画サイトに配信していた。その場にいない顧客までをもアリババのオンラインショップに誘導していこうという試みで、リアルとオンラインの垣根を実に見事に乗り越えている。

ストリーミング放送に使われるのは立派なスタジオではなく、洋服の並んだ店内。厳かなカメラなど存在せず、簡易的にスマホで撮影している。やれることは何でもやるという商魂のたくましさを感じることができた。

 

こうしたオンラインショップとリアル店舗を融合させた小売ビジネスは、「OMO(オンライン・マージ・オフライン)」と呼ばれている。これをアリババ会長のジャック・マーは「ニューリテール(新小売り)」と呼んだ。親橙里は、まさにニューリテールを体現しているリアル店舗なのだ。

このニューリテールの概念をより理解できるのが、アリババ傘下の最新鋭の生鮮食料品スーパーの「フーマー」だ。親橙里でそれを体験してみた。

フーマーでは上海ガニやロブスターをはじめ、ありとあらゆる高級食材が並んでいる。生け簀で生きている上海ガニを購入し、その場で調理してもらえるから、観光客が殺到している。さらに上海ガニをお土産にしたければそれも簡単。オンラインで買い物をして、そのまま宅配してもらえばいいのだ。

「フーマー・フレッシュ」の生け簀。その場で調理もしてもらえる 筆者撮影

フーマーが人気を博している理由はOMOが完備されているからであり、これを支えているのが、アリババが丹念に構築してきたロジスティクス網や決済サービス機能であることは論を待たない。ECビジネスで蓄積された顧客データや、嗜好データは、信用情報としても決済機能を向上させ、さらにマーケティングにも活用されていく。AI×ビッグデータがそれをさらに精緻な理論に基づいて飛躍、発展させていった。それがオンラインだけでなく、オフライン(リアル店舗)の利便性や趣向性も向上させたのだ。

OMOにおいてアリババは、ライバルの米アマゾン・ドット・コムをはるかに凌駕していると言えるだろう。

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