最先端ショッピングモール「親橙里」がすごい!
EC事業とアリペイなどのキャッシュレス決済機能を発展させてきたアリババは、いま中国全土にスマートシティを構築しようとしている。
筆者は前回寄稿した記事『中国で自動運転バスに乗って判明! AI覇権争いでグーグルは負ける』で、中国政府が勧める「次世代人工知能の開放・革新プラットフォーム」プロジェクトで「バイドゥ」が自動運転事業の委託を受けていると書いた。同プロジェクトのスマートシティ事業を委託されているのが、アリババである。
FlyZoo Hotelのある一角はアリババパークと銘打たれたスマートシティだ。中にはアリババ本社、アリババの社員住居、近未来ホテルの他に、最先端商業施設が展開されているが、その目玉として昨年4月にオープンしたのが、複合型ショッピングモールの「親橙里」(チンチェンリー)だ。
総面積が4万平米の親橙里はAIやIoT、フィンテックが駆使されていることが特徴だ。最新鋭の生鮮スーパーマーケットは人に溢れ、アパレルショップ、またゲートを通過するだけで鑑賞できるチケットレス映画館もある。カラオケルームも無人で運営されており、ここではほぼすべてがキャッシュレスだ。

ここで遭遇したアパレルショップは画像認識には度肝を抜かれた。店頭には大画面端末の「バーチャル・フィッティング・システム」が供えられているのだが、自分を撮影すると、自身の仮想空間での化身となるアバターが作成される。そのアバターを使ってコーディネートしてくれるのである。
画面に映し出されるアバターは等身大なのでリアリティに満ちていて、しかも若く見える。自分のアバターを見て筆者は、我が20代の息子が映し出されているような感覚になった。
嬉しくなってすぐに息子に写真を送ってしまったが、買い物客の心を実にうまくくすぶるのだ。

来店した顧客は気に入った商品をオンラインのネット空間で購入し、そのまま自宅に宅配される仕組み。荷物がかさばることもないし、レジに並ぶ必要もない。実に快適に買い物を楽しむことができるのである。