2019.04.23
# Amazon # アリババ

中国・アリババの最先端ホテルに泊まってわかった、そのヤバい実力

アマゾンさえも出遅れている……
田中 道昭 プロフィール

すべて顔認証、ロボットが動き回る

次に、慣れない人ならまず「ルームキー」が手渡されないことに戸惑いを感じることだろう。しかし、そのなぞはホテルの部屋にたどり着くまでに概ね解消される。

エレベーターに乗ると設置されたカメラに自身の顔が認識される。こうして初めて行き先階のボタンを押すことができる。部屋に到着するとカメラの前に自身の顔を映し出せば、解錠され入室できる。エレベーターや部屋以外にもホテルのフィットネスクラブに入室するのも顔認証。宿泊客や関係者以外は侵入できない強固なセキュリティで守られているのだ。

ホテル内の支払いはすべてアリペイで決済が行われる。ホテルの自動販売機もアリペイを使ってドリンクを取り出せば、同時に決済も完了する。小銭をジャラジャラとさせて、投入する必要などないわけだ。もちろんレストラン、バーカウンターでもアリペイで決済され、ルームサービスも同様である。キャッシュレス大国を牽引したアリババの真骨頂だ。

 

またルームサービスを注文すると近未来ホテルの趣向を堪能することができる。スターウォーズの「R2-D2」のようなロボットが品物を運んできてくれるのだ。こうしたロボットはホテルのいたるところで仕事をしていて、ホテルのバーのオープンカウンターで活躍しているのはロボットバーテンダーだった。

FlyZoo Hotel内を行き来するロボット。ルームサービスも運んでくれる。筆者撮影

圧巻なのは宿泊ルームの快適さである。グーグルの「グーグル・ホーム」、アマゾンの「アマゾン・アレクサ」と同様のスマートスピーカーが各部屋に置かれている。アリババが培った汎用AI、「アリOS」が搭載された「Tmall Genie」だ。

「カーテンを開けて」と言えば、カーテンが開く。「クーラーをつけて」と言えば、空調が作動する。部屋の明かりを暗くしたい、ラジオや音楽を聴きたい、そんな願いは「Tmall Genie」に話しかけるだけでかなってしまうのだ。いまはまだ中国語オンリーだが、それはアリババの音声認識のベースとなるビッグデータが中国語中心だからという理由だろう。今後は多言語にも広がりを見せられるかが課題だ。

こうしてFlyZoo Hotelに1泊でもすれば、アリババのAI技術に圧倒されることになるだろう。その実力を十分推し量ることにもなり、ひいては今後のアリババのビジネスの行方を占うことにも役に立つ。

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