Twitter界のあるエリアの片隅で、「メシア」とも呼ばれ君臨している”負ける技術”の天才、カレー沢薫さん。自らコミュ障、非リア充を明言しており、最新刊『非リア王』はキレのあるリア充&非リア充論であふれている。4月から新生活が始まった人も多い今、ネットで初公開の非リア充論から、コミュニケーション上手な新人に劣等感を感じたときの対策をお伝えしよう。

「非リア充」はポジティブである

リア充とは「リアルの生活が充実している人」の事を指し、非リア充は「リアルの生活が充実していないため、ネットなどの世界で暴れる人」の事を指す。

この定義でいくと、私などは典型的非リア充であり、リアルで話す人がいないから24時間中48時間ツイッターをやり、延々独り言を言い続けているのである。
しかし、私が非リア充を自称すると必ず「お前は非リア充ではない」と言ってくる人がいる。どうやら非リア充を名乗りたいなら、もっとクリアしなければいけない条件があるようだ。

ちなみに私が非リア充ではないと言われる主な理由は「結婚している」「仕事がある」「家がある」というものだ。

相当厳しい、ハードルが高いというか、低すぎて常人ではくぐれないといった感じだ。

つまり、離婚し、無職になり、家が全焼してはじめて「非リア王に俺はなった! 完!」となれるわけである。

これでは原稿以前に人生が「完」している。

しかしこれは「非リア充」というものを「リア充」より下だと捉え、とにかくネガティブなものとした場合だ。

それよりは、いっそポジティブなものとし「非リア充こそ最高の生き方であり、俺はその王である」みたいな話にしたい、何故なら家に火とかつけたくないからだ。
ではまず、非リア充がどう最高なのかを説明しなければいけないのだが、これと言って利点が見当たらない。

しかし、世の中には何かを持ちあげるために比較対象を貶めるという便利かつ下劣なやり方があるので、リア充が最低だということにすれば、非リア充が最高ということになるはずである。

そもそもリア充とは何か

そもそもリア充というのはどういう生活をしている人間のことを言うのだろうか。すぐ思いつくのがFacebookやInstagramに自撮りや楽しげな写真を載せている連中だろうがそれこそ「リアルの生活が充実していないため、ネットなどの世界で暴れる人」の典型のようにも思える。

リアルな世界でやったBBQが心底楽しかったなら、それはそこで完結しており、わざわざネットに写真を載せる必要はない。また自分の顔面がカワイイなら鏡を見た時点で満足できるか、彼氏にでもカワイイと言ってもらってそれで終われるはずであり、それをネットに載せて不特定多数の他者に可愛さを認めさせなくてもいいはずだ。

リア充の代名詞BBQ!(本文と写真の人物は関係ありません) Photo by iStock

真の非リア充を「家族も友人もおらず、無職で家もない人」とするなら、おそらくそういう人はネットすらできないだろう、つまり真の非リア充がネットにいないならホンモノのリア充もネットにはいない説が出てくる。

ホンモノのリア充はネットにはいない、さらには家にすらいないだろう、家などというものはひきこもりが生息する場所であり、リア充ならそこに住んでんのか、というぐらい海やクラブにいるはずである、さらに一人にもならない、常に異性か気の合う仲間(ファミリー)と行動を共にしているはずであり、寝るときですら両隣に美男や美女がいなければならず、ネットなどやる暇はない。

羨ましいだろうか、おそらく「疲れる」と思っただろう、つまりリア充というのは労力を要する、非効率的な生き方なのである。