『ざんねんないきもの事典』の動物学者が夢中になった、10冊の本

今泉忠明「人生最高の10冊」
今泉 忠明 プロフィール

今泉忠明さんのベスト10冊

第1位『シートン動物記』(全3巻)
アーネスト・トムソン・シートン著 阿部知二訳 清水勝絵 講談社青い鳥文庫 各580円
雌狼を助けるため罠にかかったおおかみ王ロボの物語をはじめ、動物たちの愛と戦い、悲しみを描く動物文学の名作

第2位『シートンの自然観察
アーネスト・トムソン・シートン著 藤原英司訳 どうぶつ社 入手は古書のみ
シートンが自身の自然観察の方法を具体的に記した一冊。「足跡のスケッチも豊富。シートンの思考がたどれます」

第3位『森の動物新聞
V・ビアンキ著 V・クルドフ絵 木村浩訳 講談社青い鳥文庫 入手は古書のみ
「森のできごと」「狩りだより」「ラジオ=ニュース」など記事形式の読み物をまとめた、ソビエトの森の1年間の記録

第4位『足跡は語る
ニコ・ティンバーゲン他著 今泉吉晴訳 思索社 入手は古書のみ
「足跡を調べることは知的な遊びとも書いてあります。兄が訳し、薦められた本です」

 

第5位『哺乳類の時代
ビョルン・クルテン著 小原秀雄、浦本昌紀訳 平凡社 入手は古書のみ
「'76年の刊行当時から何度も読んだ本。過去の動物が生きた環境を想像できる」

第6位『パンダ
デズモンド・モリス他著 根津真幸訳 中央公論社 入手は古書のみ
「今は熊の仲間とされているが当時は独立したパンダ科に分類。本を読むと納得できます」

第7位『ブッシュマン 生態人類学的研究
田中二郎著 思索社 入手は古書のみ
1万年前の人類そのままに暮らすブッシュマンの姿を一緒に生活して調査した一冊

第8位『狩人の大地 オーストラリア・アボリジニの世界
小山修三著 雄山閣出版 入手は古書のみ
アボリジニの狩猟生活を解き明かす。「番犬の役割を担う犬との協力関係がユニーク」

第9位『カラハリ アフリカ最後の野生に暮らす
マーク・オーエンズ他著 小野さやか、伊藤紀子訳 早川書房 入手は古書のみ
アフリカの秘境に野生動物のフィールド・リサーチへ向かった学生夫婦の7年間の記録

第10位『シャーロック・ホームズの冒険
コナン・ドイル著 延原謙訳 新潮文庫 550円
「推理の知的な興奮は動物観察に共通。『まだらの紐』など動物ものがやはり好きです」

『週刊現代』2019年4月27日・5月4日号より