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不気味な上昇を続ける株式市場…これは「不景気の株高」か?

世界経済見通しは下方修正されたのに

世界的な株高傾向

総悲観で始まった今年の内外株式市場だが、世界の株価指数の中には年初から15%以上上昇しているものも少なくない。

例えば、米国NASDAQ総合指数は年初から20%超の上昇、中国の上海総合指数は同30%超の上昇、経済の不振が続く欧州の株価指数も平均すると15%超の上昇である。ちなみに日経平均株価もこれらの株価指数には劣後しているが、年初から10%超の上昇である。

その一方で、総じて投資家は慎重なスタンスを崩していないようであり、売買高自体はそれほど増えていない。証券会社や資産運用会社の業績は思わしくなく、むしろ、まるで金融危機直後のような厳しいリストラがグローバルレベルで展開されていると聞く。

 

投資手法は投資家それぞれであるが、大手の有力な運用会社のような「まじめ」な投資家は、まずは世界景気の見通しなどから投資対象を絞り込んでいく「トップダウン」型の投資戦略を採ることが多い。だが、今年に関しては、この世界景気の見通しが随分と暗い。

たとえば、4月9日に発表されたIMFの最新の世界経済見通し「World Economic Outlook」では、2019年の世界の実質経済成長率が前年比+3.3%と、1月の同+3.5%からさらに下方修正された。

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この「3.3%」という世界経済の成長見通しはリーマンショック後の「長期停滞」といわれる低成長局面の平均値よりもやや低い。つまり、世界経済は、リーマンショック後の低成長局面から抜け出すどころか、中長期的な低成長トレンドを維持したままサイクル的には下降局面に入るという解釈となる。

だが、皮肉にもこのIMFの新しい世界経済見通しが発表された頃から世界的に株価は上昇ピッチを強めているような気がする。

よく「不景気の株高」という話を聞くことがあるが、「不景気の株高」は景気後退局面で金融政策が緩和に転じることで生じることが多い。FRBは利上げを停止したとはいえ、金融緩和には程遠い状況である。したがって、現状を「不景気の株高」と位置づけるには無理がある。

そこで、一連のニュースフローをみる限り、この理由は、米国と中国の景気指標に一部景況観の下げ止まりを示唆するものが出てきたためであると思われる。

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