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「お金という魔物」を飼いならす方法

「Zaim」閑歳孝子社長に聞く
オンライン家計簿「Zaim」が人気だ。レシートをスマホで撮影すれば自動で家計簿に記録されるなど紙の家計簿では不可能な進化を実現、現在までに約800万ダウンロードを記録している。しかもこのサービス、閑歳孝子社長(40歳)が会社員だった頃、余暇を使って独力で開発したというから驚くではないか。そんな閑歳社長が語る仕事論からお金の哲学は、実に奥深い。
 

大きな夢がなくなっていい

元は雑誌の記者でしたが、3年半経った頃、Web開発の企業へ転職しました。学生時代、研究の一環として「大学内だけで使えるツイッター」のようなものをつくった経験があったため「IT業界も面白そう!」と感じたんです。

転職後は開発のディレクターをつとめていましたが「私も簡単な修正くらいできないと」と、見よう見まねでプログラミングを覚えました。個人的にZaimの開発を始めたのはその後のことです。

子どもの頃からゲームが好きで、昔から「ドラゴンクエスト」で言えば“レベル20くらいが一番面白い”と感じていました。レベル20くらいだとまだ弱くて世界の広さも見えないけれど、強そうな魔法を覚えたり船を手に入れたりして、次第にできることが増えていく。その瞬間が一番ワクワクします。だから私は仕事でも、意識的に自分がレベル20くらいでいられる場を探してきたんです。

社員たちと。一人ひとりの性格が理解できており「私にとってもまったくストレスのない空間」(閑歳氏)なのだとか。写真前段の右から左が閑歳社長

起業に強い思いはなく、それよりも誰かに「こういうサービスが欲しかった」と言われるものをつくりたいと思っていました。リリース1年後に起業したのも、ダウンロード数が数十万件に達し、ビッグデータや個人情報の管理が私個人では難しくなったからです。

たまに、起業家を目指す社会人のセミナーに呼ばれ、講師を頼まれます。そんな時、逆説的ですが「必ずしもせきたてられるように夢を持つ必要はないのでは」と話すことがあります。私の場合、大きな夢があったわけではなく「身近な誰かを喜ばせたい」と動いていたら起業する環境が整いました。