宇宙の始まりを目指して「超新星」を追う

宇宙の始まりを観測と計算で導き出す
サイエンスリポート プロフィール

取り組みの背景にあるのは、2011年にノーベル物理学賞を受賞したソール・パールムッターら3人の天文学者の発見だ。

ソール・パールムッター Photo by gettyimages

1998年、彼らは遠くの超新星爆発を調べることによって、「加速膨張」すなわち現在の宇宙は膨張し続けていることを示した。吉田教授がターゲットとする超新星も同じIa型(白色矮星が爆発してできる超新星)で、観測で見つかる超新星の約半分を占めるという。

最近の人工知能の画像解析能力は結構すごくて、画像からIa型を見分けることができるんです。このツールづくりに、統数研の池田教授に協力いただいています」

Ia型超新星ハッブル宇宙望遠鏡の撮影したIa型超新星 Photo by NASA / ESA

1%しかない「ホンモノ」を求めて

「われわれの課題は、Ia型と思われる突発天体を確実に見つけることです」と、統計数理研究所の池田思朗教授。

同じく統計数理研究所の森井幹雄特任助教は、超新星発見の意義をこう語る。

Ia型超新星は太陽質量の1.4倍の白色矮星が爆発してできるもので、どれもその明るさはほぼ同じだと考えられています。見かけの明るさから距離を見積もることができ、スペクトルを観測することによって星が遠ざかる速度がわかります。

距離と速度を合わせれば宇宙がどれくらいの速さで膨張しているかを推定することができます。さらに、『宇宙の遠くでは、もともと考えられていた速度よりも速く宇宙は膨張している』というのが加速膨張という概念です」

森井幹雄特任助教

ところが、「99%は偽物なんです」と池田教授。