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令和が始まり、はやぶさ、大震災、IS……新書で平成を考える

現代新書とたどる平成31年史(後編)
現代新書編集部 プロフィール

平成29年、希望の党や立憲民主党結成

希望の党や立憲民主党など、様々な野党が結成された平成29年。大震災以降、SEALsに代表されるように、様々な政治に対するアプローチが試みられてきました。

『社会を変えるには』では、「社会を変える」方法、そしてその意味を、広く深く探索していきます。古代ギリシャの民主主義思想から、高度経済成長期のデモまで、社会を変える方法は、実は幅広くあります。

これからの時代を、より良いものにするために、私たちにはどのような選択肢があるのか、とても丁寧に説いてくれる一冊です。

いま日本でおきていることは、どういうことか? 社会を変えるというのは、どういうことなのか? 歴史的、社会構造的、思想的に考え、社会運動の新しい可能性を探る大型の論考です。

平成30年、公文書改竄問題

僕の知っている官僚になった先輩たちは、本気で「日本をなんとかしたい」という思いを抱いて入省していきました。一方で、公文書改竄という言語道断の事件が起きてしまうのは、一体どこに原因があるのでしょうか?

『崩れる政治を立て直す』では小泉政権以降、政治と行政の関係がどのように変遷していったのかを解き明かしつつ、現状の官僚制の問題点、さらには技術革新と透明性を基軸にした改革案まで提示します。

国民の代表である政治家。国民に奉仕する官僚。彼らのあり方は、自分たち国民の問題だと考えさせられる一冊です。

安倍晋三政権に不利な情報が記載されている公文書の廃棄、官邸に居座る官僚の専横など、政治と行政の崩落は国民を失意のどん底に陥れている。一部の政治家や官僚の首をすげ替えても、事態は好転しそうもない。政と官の制度設計は事前に考えられたものか、制度作動は順調かの原則論に基づきつつ、戦後の歴代首相の政治手腕とその成果、小泉純一郎政権の成功、民主党政権の失敗から、現安倍政権の政治主導、行政崩壊の核心に迫る。

平成31年、天皇の生前退位

平成が終わる年は、今上天皇が生前退位される年でもあります。「おことば」の中で、今上天皇は、象徴としてのあり方を模索してきたと仰られていましたが、それは私たちが天皇制のあり方について考えるべき時期に来たということだと思います(現代新書の最新刊には『「平成の天皇」論』があります)。

本書『天皇陛下の全仕事』は、タイトルの通り、天皇陛下がこなしている全仕事について説明がなされるのですが、その厚さ(350p超!)だけでも、多大なお仕事をこなしていることがわかります。

平成の終わりに、天皇陛下がどのような役割を担っているのか、意外と知られていないその実務について、ぜひご確認ください。

天皇はどんな仕事を、どんな内訳で、どのように行っているのか? 天皇・皇后両陛下の平成流スタイルとは? 国事行為、宮中祭祀、宮中晩餐会、地方訪問、稲作など知られざる毎日を、元宮内記者がやさしく解説。 これで皇室記事が10倍面白くなる!

そして、令和へ

最後に、今日から始まった令和の時代にふさわしい一冊を。55万部突破の大ベストセラー『未来の年表』です。本書では、これから半世紀弱までの間に起こる出来事を、図表を多用して、一覧でわかるようになっています。

2040年頃には半数の自治体が消滅の危機に瀕する、というかなり衝撃的なテーゼもあります。僕が働き盛りの時期には、日本の社会保障や地方財政はかなり危機的な状況にあるようです。

ただ、この本の好きな所は、それに対する処方箋を提示しているところです。ただ危機感を煽るのではなく、しっかりとそれに対応するための策をあげているところに、筆者の真摯な態度を感じます。

日本が人口減少社会にあることは「常識」。だが、その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか? 第1部では「人口減少カレンダー」とし、2017年から2065年頃まで、いったい何が起こるのかを、時系列に沿って、かつ体系的に示した。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として、なるべく具体的に提示した。本書は、これからの日本社会・日本経済を真摯に考えるうえでの必読書となる。

坂を上る途中に落としてきたもの

ここまで、平成年間31年。いつだって激動の時代なのだとは思いますが、この30年の時代の流れは非常に速い。令和はそれ以上かもしれません。

紹介した現代新書の内容には、地方・財政関係、中東関係が多かったような気がします。読んだことがある本を中心にチョイスしたので、自分の志向が出ているのかもしれませんが、この30年で注目され続けたテーマだと言えると思います。

大学時代の恩師が、「平成に入り、ようやく日本は坂の上の雲ではなく、坂を上る途中に落としてきたものを見つめるようになった。君たちは、私たちが落としてしまった大切なものを、しっかりとなくさないようにして下さい」と仰ったことがあります。

令和がどのような時代になるかは分かりませんが、これから社会に出る一人として、しっかりと時代を見据えていきたいと思います!