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令和が始まり、はやぶさ、大震災、IS……新書で平成を考える

現代新書とたどる平成31年史(後編)

平成から令和へ。元号改定を記念しての特別企画「現代新書とたどる平成31年史」。ここからお届けするのは、その後編です!

この辺からは、僕もしっかりとした記憶が残っているので、何となくですが、時代感のようなものがわかります!

平成の後半はどんな時代だったのか、一緒にたどっていきましょう!

平成17年、人口減少へ

日本が人口減少へと転じたのがこの年。僕の小学校は生徒数が割合多く、学年によっては3クラスの時もありました。ただ、昔は7クラス、8クラスとあった、と聞くと、やはり子供の数は減っているのだなと感じます(実は出生率は微増しているのですが)。

 

『縮小ニッポンの衝撃』では、そんな少子高齢化社会がとりわけ進む地域について、NHKの取材班が書いています。当たり前の公共サービスが受けられない。保育園が耐震強度を満たしていない。そんな地域がこのままではどんどん増えていきます。

これからの日本を考えるうえで避けて通れない、人口減少と地方の衰退。ぜひ今から理解しましょう。

これから日本は、かつて世界のどの国も体験したことのない人口減少に突入していく。社会保障・人口問題研究所の推計によると、2053年には日本の人口は1億を切り、2065年には8088万人になるという。これから約50年間で3901万人の日本人が減少する。私たちの未来に何が待ち受けているのか? NHKが総力を挙げて、少子高齢化に悩む全国の地方自治体を取材。一足先に超高齢化に突入した地方の衝撃的な姿とは?

平成18年、iPS細胞作成成功

京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞の作成に成功したのが、この年です。講談社にはブルーバックスという理系新書シリーズがありますが、現代新書にもたくさん科学系の本があります。

そんな中でも、80万部を突破した大ベストセラーが『生物と無生物のあいだ』です。「生命とはなにか? それは自己複製を行うシステムである」という宣言から本書の旅は始まります。

生命とはなにか、私たちが一度は考えたことのある疑問を、生命科学の知見を駆使して、分かりやすく説いてくれます。

生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない⁉ 「生命とは何か」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら、現在形の生命観を探る。ページをめくる手が止まらない極上の科学ミステリー。分子生物学がたどりついた地平を平易に明かし、目に映る景色がガラリと変える!

平成19年、サブプライムローン問題

2007年のサブプライムローン問題、08年のリーマンショックは、金融大国アメリカの土台を揺るがす出来事でした。その結果GMは破綻し、アメリカのものづくりの象徴であったデトロイトは冬の時代を迎えることになります。

そんなアメリカの凋落と並行する形で、勃興するアジアやグローバリズム。日本人はこの潮流の中で、アメリカと同盟を結べども、アメリカ流に染まってはいけないと『アメリカ帝国の終焉』の筆者は主張します。

これからの時代が、どのような趨勢を辿るのか。その予測の一助になる本です。

世界を徘徊するポピュリズムとテロリズムという2匹の妖怪。ブレグジット、トランプ・ショック、その次は? アメリカ大衆の反逆、泥沼化する中東、勃興するアジア型資本主義――、多極化世界の新しい見取り図とは? 変貌する国際関係を追跡してきた著者が、アメリカ・デトロイト、インドネシア・ジャカルタ、中国・寧夏、日本・北海道を歩きながら描き出す、グローバリズムを日本が生き抜くための知恵。

平成20年、秋葉原事件

秋葉原事件が起きた当日、僕は総武線に乗っていて、車窓越しにですが、秋葉原に人波ができていたのを見ていました。そこから、当時流行り始めたTwitterで、秋葉原で大変な事件が起きたことを知ります。

秋葉原事件自体については、『秋葉原事件』という素晴らしい著作があります。ここでは、当時の若者・日本社会を理解するための一冊として『動物化するポストモダン』をご紹介します。

本書は僕世代(ともう少し上の世代)の思想好き青少年にとってはバイブルのような本で、僕も中学生の時に読み、友人たちと浅い議論を繰り広げていたのが思い出になっています。

本書が出たのは、もう20年近く前になりますが(2001年刊行)、データベース型消費、動物化、といったキーワードは、SNSへの依存度が高まった今の若者にも当てはまっているような実感があります。

気鋭の批評家による画期的な現代日本文化論! オタク系文化のいまの担い手は1980年前後生まれ第3世代。物語消費からデータベース消費へ。「動物化」したオタクが文化状況を劇的に変える。