平成から令和へ!バブル、いじめ、テロ……あの出来事がわかる1冊

現代新書とたどる平成31年史(前編)
現代新書編集部 プロフィール

平成13年、9.11同時多発テロ

9.11が起きた当時、僕はおそらく小学1年生です。朝、学校に行く時のニュースでビルが燃えている映像が流れていたことを、ぼんやりと覚えています。

 

ご紹介するのは、『9.11後の現代史』。筆者は、今の若者に「中東がこんなに怖い場所になったのは、そんなに昔からじゃないんだよ」と伝えるために書いたと述べています。

イラク戦争から、9.11、そしてISと、混乱を極める中東情勢の経緯を、一本の線として説明している明快な本です。

20世紀を通じて中東で起きてきたことは、世界の、特に欧米諸国が行ってきたことのツケみたいなものである。そして21世紀。アメリカの陰り、テロ、難民、宗教対立……2001年の9.11米国同時多発テロ事件を機に、そのツケがさらに巨大なものとして私たちの目の前に現れている。中東から、混乱の世界を読み解き、どう次の時代につなげていくのかを問う、かつていない現代史。

平成14年、UFJ、みずほ銀行発足

地方財政は大きな転換点を迎えています。人口減少・少子高齢化に伴い、自由競争を前提とした市場メカニズムが機能不全を起こしています(この辺りを事例を踏まえて書かれたのが『経済が競争でない時代』という本です)。

平成に起こった銀行再編で、多数の地銀がメガバンクグループの一員となる中、経済合理性だけでは計れない地方活性の糸口を、各地の地銀が示してくれています。

ぜひ、『捨てられる銀行』で、銀行・金融の新しいあり方を発見してください。できれば、続編の『捨てられる銀行2 非産運用』、『捨てられる銀行3 未来の金融』もよろしくお願いいたします。

2015年夏に就任した森信親・金融庁長官の真意を知ろうと、いま金融機関のMOF担はじめ多くの銀行関係者は右往左往している。もともと不良債権処理のために整備された金融庁による金融検査の手法が一変しようとしているのだ。森長官に密着する金融庁担当記者がそのすべてを明らかにする。

平成15年、就職氷河期

2019年現在のおおよそ45歳以下を「貧困世代」と名付ける本書。僕はそのど真ん中です……。著者・藤田孝典さんは、今までの「高度経済成長神話」から抜け出せず、誤った若者観が流布されている一方で、社会構造的に若者が豊かになることができなくなっている現状を鋭く指摘します。

実際、両親(60歳手前)と話していると、社会認識について大きな違いがあります。僕たちの世代は、車も家も宝石もいらない無欲な世代だと思われていますが、どちらかというとそういったものを買う余裕がない、というほうがしっくりと来ます。

それがどれほど社会構造によるものかは、とても難しいですが、『貧困世代』では各種データや取材の記録を用いて、実例で紹介してくれます。

『下流老人』が20万部超えのベストセラーとなった著者の新書第2弾! 今回は若者の貧困に着目し、「一億総貧困社会」をさらに深く読み解く。これまで、若者は弱者だとは認められず、社会福祉の対象者として扱われなかった。本書では、所持金13円で野宿していた栄養失調状態の20代男性、生活保護を受けて生きる30代女性、脱法ハウスで暮らさざるを得なくなった20代男性などの事例から、若者の貧困を分析する。

平成16年、小泉総理大臣靖国参拝

僕の記憶する限り、日中関係、日韓関係は、少なくとも政治に関する場面では、決して友好的とは言えませんでした。当時、小泉総理が靖国参拝をした際も、中国・韓国政府が抗議していたことを覚えています。現在でも、慰安婦、徴用工など、韓国との関係は良好ではありません。

『歴史と外交』では、第1章で靖国参拝についての議論がなされています。この問題については様々な考え方があるかと思いますが、僕がこの本を推したいのは、筆者の考え方と目標が淀みなく語られていることです。

靖国問題の究極の目標は、諸外国も受け入れられる形で靖国神社を再編することにある、と述べます。それを補強する形で、自身の歴史観や政教分離の問題について述べます。

正解がないものだからこそ、自身の考えを明示し、対話することの大切さを感じる一冊です。

歴史観なき外交を排し、日本とアジアを問う政治が歴史に変じ、歴史は政治に転ずる。そのダイナミズムをいかに掴み、「昭和」の過ちを昇華させるか。戦後外交の第一線に立ってきた外交官の体験的思索の書!

このように皆さんも、ある年の印象的な出来事・事件を思い出して、それについての知識を深められるような現代新書を探してみてはいかがでしょうか?

また明日、令和の始まりの日に、現代新書とともに平成の後半を旅しましょう! 

後編につづきます!

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