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”治らない薬”が一番いい!?医師が明かす製薬業界「不都合な真実」

ドキッとする話です

薬を飲んでも病気は治らない?

「だいぶ数値がよくなってきたので、もう薬を飲むのは止めていいですか?」

「この薬はいつまで飲み続けたらいいんですか?」

内科医としてはたらく中で、患者からこのような質問を受けることは珍しくない。しかし、多くの場合、私はこのように答える。

「今飲んでいる薬は病気を治す薬ではないので、飲まなくなると、とたんに元の数値に戻りますよ。言葉は悪いですが、ドーピングのようなものです。生活習慣をしっかり改善して、減量に成功でもしないと、薬をやめるのは難しいでしょうね」

多くのサラリーマンにとって関係が深いのは、高血圧や糖尿病、脂質異常や痛風など、生活習慣病と呼ばれる一群の病気だろう。これらが重なった状態を呼び習わす、メタボリック・シンドロームという言葉もとうに市民権を得た。耳が痛い方も多いだろう。

 

生活習慣病に対する薬を飲むことで、確かにいろいろな効果が得られる。血圧や尿酸値が下がる、血糖値やコレステロール値が改善する、などなど。しかし、これらの効果は、薬が体内ではたらいている間だけ、ほんの一時的に得られるに過ぎない。薬が体内から抜けてしまうと、その効果はすぐに失われてしまう。

「薬を飲んで、病気を治す」というのが、一般の方が抱きがちなイメージだが、残念ながらそれは多くの場合で間違いだ。ほとんどの薬は、病気を完治させるほどの効果はなく、病状を多少改善させる程度の力しかない。

ところが医療業界では、そのような「そこそこ有効性があるが病気は治らない薬」であるほど、かえって製薬会社の利潤につながる構造がある。患者は延々と治らない薬を飲み続けることになるからだ。こういう言い方をすると目くじらを立てる方が多いだろうが、「生かさず殺さず」という程度の薬のほうが製薬会社にうまみがあるわけだ。

このことを拙著『知ってはいけない薬のカラクリ』(小学館新書)で書いたところ、さまざまな方面からいろんなお声をいただいた。

約10兆円の市場規模

現代の医療では、多種多様な薬の選択肢が提供され、製薬会社によって新薬が次々に開発されている。

医療が飛躍的な進歩を遂げ、平均寿命が大きく伸びた現状に、医薬品が一定の役割を果たしたのは間違いない。その医薬品を開発する製薬会社は、日本に限らず世界中で大きな利潤を上げている。それを象徴するように、トップクラスの製薬会社は東京都心の一等地、中央区や港区、千代田区などに豪壮な本社ビルを構えるのが通例となっている。

製薬会社の収益の源泉は、当然ながら医療費である。日本は1961年に国民皆保険制度を導入し、今では保険診療で医療を安く受けるのがごく当たり前の風景になっている。医療費の自己負担は多くても3割で済み、残りの7割以上が保険料で支払われる。

医療費があまりに高い場合は、高額療養費制度も整えられており、自己負担限度額の上限まで設けられている。これは世界的にも賞賛される、患者にとって素晴らしい制度であることに異論はないはずだ。

ただし、サラリーマンの給与明細で、社会保険料負担が年々上がっていることはすでにお気づきだろう。それもそのはず、高齢化も影響し、国民医療費は増え続けているからだ。

国民医療費の1人あたり負担額は33万3300円に及び、国民医療費の財源の約39%が公費、約49%が保険料であり、患者の自己負担分は約12%に留まっている(2015年度)。すなわち、製薬会社の利潤の多くは税金や保険料が出どころ、ということになる。