マンション、特に首都圏の新築マンションが売れない。新たに売り出された新築マンションのうち、その月中に契約されたマンションの割合を示す契約率が、これまでにないほどの低水準で推移しているのだ。

マンション価格もそろそろ下落するのでないか――そんな見方をする人も増えている。それだけに、多少の値崩れが行ってもそれに負けないだけの物件選びの目利きが必要になる。
バブル崩壊時以来の「契約率50%割れ」
新築マンションの契約率、好不調のボーダーラインは70%といわれる。マンションは通常着工直後のまだ建物が完成していない段階で売り出される。売り出しから完成までには小規模な物件でも半年から1年、大規模物件だと2年以上かかることもある。したがって、売り出したその月に70%以上売れれば、完成までに完売できるだろうというメドが立つため、70%が採算分岐点とされているわけだ。
首都圏の新築マンションにおいては、その契約率がひどい状態に陥っている。民間の調査機関である不動産経済研究所によると、図表1にあるように2018年3月に74.7%と採算ラインをクリアしたあとは2019年2月まで11か月連続して70%割れが続いている。しかも、2018年12月には49.4%まで下がり、バブル崩壊直後以来という50%割れを記録した。その後は60%台に戻してはいるものの、なかなか立ち直る気配はみられない。ほとんど70%超えを維持している近畿圏とは好対照だ。
売れない理由、それは簡単。
首都圏の新築マンション価格は高くなり過ぎているのだ。