日本で報告された病原菌による感染症が「世界的に流行」する恐れアリ

その名はカンジダ・オーリス

「カンジダ・オーリス」と呼ばれる真菌(空気中を漂うカビ)が引き起こす、深刻な感染症が世界的に広がりつつある。

https://www.nytimes.com/2019/04/06/health/drug-resistant-candida-auris.html

上記記事によれば、これまで米国では587名の患者が報告されており、他にも英国やスペイン、ベネズエラをはじめ各国で感染者が出ているという。

この病原菌は複数の医薬品(抗菌剤)に対して耐性を持つため、医療関係者や科学者らが危機感を募らせている。

 

最初に報告されたのは日本

カンジダ・オーリス(Candida auris)が世界で最初に報告されたのは日本で、それは2009年のことだ。元々は、ある病院に入院していた女性患者の耳の内側から発見されたという。

ただし、現在、世界各国で報告されている同感染症が当時の日本から広がったというわけではなさそうだ。米CDC(疾病対策予防センター)がインドやパキスタン、ベネズエラ、南アフリカ共和国、そして日本で報告されたカンジダ・オーリスのゲノム(遺伝情報)を比較したところ、いずれも異なる系列に属することが判明した。

つまり、それは地球上のどこか一箇所で発生したのではなく、むしろ広い地域に渡って別々の起源を有するのではないかと見られている。これらの菌が家畜による堆肥等から農作物、地域住民、そして海外旅行客らを介して世界全体に広がっていったと見られている。

薬剤の過剰投与・乱用が原因

カンジダ・オーリスが日本で発見された当初、この真菌は強い毒性も抗菌薬に対する耐性も示さなかった。しかし、その後、世界各国で感染が広がる過程で、そうした凶悪な性質を育んでいったようだ。

それには恐らく、現代社会における「抗生物質」や「抗菌薬」など薬剤の使い過ぎ・乱用が影響している。つまり本来投与する必要のない病気に対しても、これらの特効薬が投与されてしまうからだ。こうした薬剤との戦いに生き残った細菌や真菌はいわゆる「薬剤耐性菌(super bug)」と呼ばれるが、カンジダ・オーリスはその典型と見られている。