狙いは「金」より凄い「世界初」地震研究者が金鉱深くで掘削するワケ

震源を直接観察して地震のルーツを探る

「余震域に到達する直前で岩盤の差応力が局所的に大きくなっているといった注目に値する結果も出てきています。これからM5.5主破壊の観測データの解析も進め、余震の活動解析の結果などとも比較検証することで地震の破壊の様相やその伝播をコントロールする条件を明らかにしたい」

小笠原は抱負を述べた。

地震破壊、断層物質、応力、地質、物性、地球微生物、ガス、地下水の総合精査が始まった

岩盤に秘められた生命誕生の謎

一方でアメリカ・プリンストン大学の地球微生物学研究グループは、大深度の岩盤内の微生物を追い求めている。

地震によって岩盤が破壊されると水素が発生する。地表が無酸素で非常に過酷な環境だった地球創始代、そうした水素が地下大深度に生息する微生物の活動を支えていたという仮説がある。

今回の研究で、そんな地球の生命誕生の謎も明らかになるかもしれない。

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小笠原は今後について、「コア試料の解析を進めるとともに、『DSeis計画』の掘削をさらに延長したり、別方向からも掘削調査を行い、より深い場所や規模の大きい余震の発生域を調査したいと考えています」と語る。

地震発生のメカニズムが解明される日は近いのか。成果が待たれる。

(プロジェクト協力機関:日本地球掘削科学コンソーシアム国立研究開発法人 海洋研究開発機構(JAMSTEC)プリンストン大 Onstott教授 地球微生物学研究室ICDP DSeis日本学術振興会 研究拠点形成事業(平成29年度採択事業;立命館大学)JST-JICA 地球規模課題対応国際科学技術協力東北大学大阪大学Witwatersrand大学
「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」成果報告
平成29年度(2018年度) 平成28年度(2017年度)
(立命館大学研究活動報「RADIANT」より転載)