元・宝塚歌劇団トップスター「特別養子縁組で子を授かるという選択」

「なりたい自分」でいるために
BE・LOVE編集部 プロフィール

なりたい私でいるための決断

―――「不妊治療」のご体験などをお聞かせいただきたいです

私は不妊治療の辞め時がすごく難しくって「ああ、もう永遠にやめられないかもしれない」って思いました。そんなときに、私の大切な友人から妊娠の報告を受け、おめでとうって心から思えたんです。

同時に、もしかしたら私はいつか大切な人のおめでたいことを心から祝えなくなる日が来てしまうのではないかとも感じました。これ以上、不妊治療を続けていたらいつか「なりたくない私」になってしまうと思ったときに、次で治療を辞めようと自然に思えました。

 

私は、その時々で、なりたい自分になるための努力をしてきました。宝塚時代では、トップスターになるため、しかも、ただのトップスターではなくて、理想のトップスターに…。自分からほど遠い人間だったとしても、それに向かって努力する。辛いこともありましたが、そうやって生きてきたんです。

不妊治療や子育でも、どんなことでも、その時々の本当になりたい自分を考えることで未来が変わると信じています。自分が自分じゃなくなるっていうタイミングとバランスを常に考えて挑むことが大切かなって思います。

『かぞくを編む』Ⓒ慎結/講談社

―――瀬奈さんが思う「かぞく」の定義を教えてください。

何も考えなくても一緒に居られるのが家族だと思います。私自身はすごくいい愛情を注がれて育ったおかげで、意識せずとも母は母でしたし、父は父でいてくれました。自分が子どもを育てることになり、改めて親に対し感謝の気持ちが溢れているのですが、子どものときは親への感謝なんて全く意識してなかったです。でもそれが家族だと思っています。

だから私は感謝とか何もいらないから、とにかくお母さんはいつでもあなたの近くにいますよ、安心してくださいって示せる母でいたいなと思います。私自身、子どもがすべての活力になっています。子どもと暮らす普通のご家庭と同じように、子育てはやはり大変です。でも、この子がいるから頑張れる、この子がいるから人生が輝いているなと感じています。

瀬奈じゅん氏
プロフィール 瀬奈じゅん SENA JUN
宝塚歌劇団 月組男役トップスターに就任。現在は女優として舞台を中心に活躍。2012年、俳優の千田真司さんと結婚し、2018年「特別養子縁組」で子どもを授かったこと公表。

      『かぞくを編む』慎結 定価440円(税別)