# 葬儀費用

後悔しないために、親が元気なうちから始める「葬式の準備」

葬儀費用もばかにならない
工藤 広伸 プロフィール

見直されている「自宅葬」

ふたつ目の理由は、葬儀の参列者への声かけです。情報統制をきちんと行なわないと、思った以上に参列者が集まり、それによって葬儀の金額が増えることもあります。

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父の葬儀では、父の会社員時代の元同僚が、たまたま父の最期の瞬間に立ち会ったこともあって、会社関係に葬儀の日時が広まってしまい、「家族葬でいい」と言っていた父の思いとは裏腹に、参列者が増えてしまいました。

葬儀やお通夜、火葬などを家族のみで行なう場合は、情報統制が必要です。想定外に参列者が増えてしまえば、費用も追加でかかってしまいます。香典も増えるので、金額面はある程度相殺されるのですが、喪主は知らない人が増えることで、気を配る相手も増えて疲れます。

また、「わたしも葬儀に参加したかった」「なぜ声をかけてくれない」など、親族や友人などからクレームが来る可能性もあるので、葬儀に関する「故人の遺志」もきちんと確認しておく必要があります。

喪主が「故人の遺志」というカードを持っておけば、いろいろ葬儀に口を出されたとしても、葬儀に呼ばれないと文句を言われたとしても、すべて「故人の遺志です」とだけ答えればいいのです。

わたしが生前の父と葬儀やお墓について話し合ったことを、すべてスマートフォンに録音した理由は、親族や参列者から葬儀などに関してクレームを言われたときの保険のためでもあります。

 

火葬場の日程の都合で、わたしは父の遺体を父のマンションにいったん戻して、父の遺体と2晩ともにしました。「幽霊が出るのでは?」という不安があったものの、父とゆっくり向き合うことができました。

その2日間で、葬儀には呼んでいないけれども、在宅医療・介護でお世話になった医師、看護師、ヘルパー、作業療法士が自宅に来てくださり、手を合わせて涙ながらに父との思い出を遺体の前で話す時間を作ることができました。

亡くなったあとの手続き、葬儀屋との調整に追われる中で、たまたまできたこの2日間というゆっくりとした時間は、とても大切なものでした。誰にも邪魔されず、ただ遺体と向き合う時間の中で、父との思い出を振り返り、自分の気持ちを整理する時間に使えました。

こういった心の余裕を持つためにも、生前に葬儀屋と相談しておくべきなのです。首都圏ではすでに火葬場が不足してきているので、父のとき以上に火葬まで時間がかかってしまうこともあるようです。

祖母と父の葬儀を経験して思ったのは、「できれば自分たちのペースで葬儀をしたい」ということでした。それを実現するひとつとして、昔は当たり前に行なわれていた「自宅葬」があります。

わたしが注目している葬儀社は、鎌倉自宅葬儀社です。鎌倉を中心に、神奈川、東京、埼玉までカバーしています。この会社は、葬儀社のペースに巻き込まれず自分たちのペースで葬儀が進められること、追加料金が発生せず、自分たちの希望に合ったカスタマイズをしてくれます。