# 葬儀費用

後悔しないために、親が元気なうちから始める「葬式の準備」

葬儀費用もばかにならない
工藤 広伸 プロフィール

葬儀代が増えてしまう理由

父とは、亡くなる2日前にどこの葬儀屋にするかを話し合っていました。

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在宅で看取るつもりが、最期の数時間だけ救急車で病院に運ばれてしまったこともあって、父も病院からは早く出るように言われてしまいました。まさか、こんなにすぐ亡くなると思っていなかったので、やむを得ず2日前に父が言っていた葬儀屋にお願いすることにしました。

父の指定の葬儀屋は互助会方式の葬儀屋で、父は非会員でした。高額な葬儀を覚悟したのですが、偶然、父の姉が会員だったので、会員の権利を譲渡してもらって、会員価格で葬儀を上げることができました。

これらのことから学んだのは、生前に葬儀屋を決め、葬儀費用の概算を見積もり、その費用を誰がどのくらい負担するのかまで、きちんと検討しておくべきということです。たとえ介護が終わって、介護費用の支出はなくなっても、最期に葬儀という大きな支出が待っているのです。

また、生前に葬儀屋の担当と会っておくことで、気持ちにゆとりも生まれます。突然、どこの誰だかわからない第三者に葬儀を仕切られると、あまりいい気持ちはしません。祖母の葬儀屋は顔見知りで安心できましたが、父の葬儀屋は初対面で、安心できませんでした。

生前の父とは、葬儀費用をどこから捻出するかまで話し合っていました。

「俺が亡くなったら、医療保険を請求しろ。200万円おりるから」と父は言いました。200万円あればなんとかなると思い、わたしは父が亡くなったあとに保険金の請求を行なったのですが、支払われた金額はたったの5万円……。

 

生前に保険の加入状況、保険証券の番号など、きちんと確認しておくべきでした。結局、葬儀費用の不足分はすべて、わたしが立て替えることになったのですが。

葬儀代が増えてしまう理由は、いくつかあります。

ひとつは、葬儀屋主導の葬儀になってしまうことです。葬儀屋をあわてて決めてしまった段階から、すでに葬儀屋のペースになってしまいます。

それに加え、喪主自身が死別のショックで正常な判断や調整業務ができないかもしれませんし、モンスターペアレントならぬモンスター親族が、「立派な葬儀を上げないと故人が浮かばれない」「最期ぐらいちゃんと見送るのが礼儀」などと言ってくることもあります。

お通夜や火葬の日程をすぐに決めないとならないので、とにかく時間に追われ続けます。

葬儀屋も、ことあるごとに追加のオプションを提案してきます。たとえば、父の棺の中に畳を敷いたほうがいいとか、棺はヒノキのほうがいいなど、営業トークは止まりません。それが仕事なのでやむを得ませんが、喪主は毅然とした態度で臨まないと、葬儀後にびっくりするような請求をされることになりかねません。

わたしは、「亡くなった父が、質素な葬儀を希望していた」という言葉を、葬儀屋に何度も繰り返し伝え、オプションを断り続けたことで、葬儀費用はある程度抑えられました。それでも、質素にした割には70円万近くかかってしまい、本当に質素な葬儀だったかは疑問です。