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トランプの次の貿易戦争のターゲットがEUだと予想できる理由

マクロン、メルケルはお嫌いのよう

政治家ではトランプに勝てない

米中貿易交渉は、膠着状態に陥ったようにも見える。

オバマ政権による米国民にとって「悪夢」の8年間に、民主党と強い結びつきを持つ共産主義中国が勢力を増した。中国は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ならぬ「チャイナ・アズ・ナンバーワン」と妄言を吐き、墓穴を掘った。

オバマ政権の「無策・軟弱」に対する、良識ある米国民の激しい怒りの反映が、トランプ政権の誕生である。この良識ある米国民の強い支持がある限り、トランプ大統領は「国民第一主義」の政策を続けるであろう。

中国の戦略的な失敗は、トランプ政権に「ルート」をほとんど持たないことである。

普通は、外交政策として「政権政党ではない野党」にも外交上のパイプを持つように努力する。だが、先の大統領選挙前には、オールド・メディアがこぞってヒラリー・クリントンの勝利を予想していたので、ダークホースと思われていたトランプ陣営とのパイプづくりの手を抜いたのだ。

その後の展開は、読者も周知のことだろう。トランプ陣営の真意を見抜けぬ習近平氏は、ただ慌てふためくだけで、指導者としての資質が欠如していることを世界にさらけ出してしまった。

 

確かに、トランプ氏は政治家業に専念してきたいわゆる「プロ政治家」とはまったく異なる。政治経験など無いに等しい。しかし、そのことは国民に公にされた上で選挙が行われ、米国民は「プロ政治家」に「ノー」を突き付けトランプ氏に望みを託したのである。

だから、政治評論家や新聞・テレビなどのオールド・メディアが、トランプ氏が「プロ政治家」のように振る舞わないことを非難するのは間違っている。米国民は、「プロ政治家」に辟易して、トランプ大統領に未来を託し、現在のところうまくいっているのである。

だから、習近平氏や金正恩氏をはじめとする「プロ政治家」がトランプ大統領を攻略するのは、ほぼ不可能である。

安倍首相は「トランプ氏のような人物は、中小企業のオーナー経営者にはごく普通にいますよ」と述べているが、筆者もそう思う。経歴から考えても、政治家というよりもビジネスマンであり、「創業経営者」である。

スティーブン・ジョブス、ジェフ・ベゾス、イーロン・マスクのような個性的な創業経営者たちが、大統領になって、米国を自分の会社のように経営する姿をイメージすればよくわかると思う。