2020年には日本の女性の人口の半分が50歳以上になるという。企業や社会も、50代以上の女性の存在を抜きに語ることができない時代がきているのだ。では、今の60代を中心としたシニア女性たちは、何を求めているのだろう。

今、50歳以上の女性を対象に売れに売れている月刊誌がある。『ハルメク』という雑誌で、読者モデルが多く登場し、読者モニター組織「ハルトモ」の会員数は2100人超(そのうち80歳以上が70人!)。イベントは連日満員。通販の人気商品は初年度売り上げ3.7億円を記録したものもある。現在の山岡編集長就任後、16万部の部数が1年半で23万部。毎月右肩上がりに部数を伸ばし続けているのだ。

ここに「年を重ねた女性がどう思っているかを知るヒント」「楽しく女性が年を重ねるヒント」が隠されているのではないか。グレイヘア問題を含め、編集長を務める山岡朝子さんに、現在40代後半のライター、長谷川あやさんが話を聞いた。

山岡さんは44歳。大手出版社で生活実用書の創刊にも携わってきた

「シニア」は今何を求めているのか

20代前半の頃、40代前後の人って、毎日、何が楽しいのだろうと疑問に思っていた。歳月が経ち、今その世代になった私は、過去の自分がいかに愚かだったかよくわかる。40代の今のほうが、20代の頃よりも遥かに自由で、楽しい。だから、60代も70代もそれ以降の人生も、自分の生き方次第で、楽しめることも、いくつになっても幸せをつかめることもわかっている。それでも、実際に体験してみないとわからないことは多く、例えば、「シニア」と呼ばれる先輩世代が、今何を求めているのかは実はとても気になったりする。

山岡さんは、新卒で主婦と生活社に入社。『すてきな奥さん』『CHANTO』で編集長を務めるなど、住まいや暮らしの分野を中心に活躍していた。同社を退社後、2017年8月、50代以上の女性を対象とし、健康、料理、旅、ファッション、美容など、さまざまなテーマを取りあげている月刊誌『ハルメク』の編集長に就任。山岡さんが、シニア層を対象とした雑誌に関わるのは、『ハルメク』が初めてだ。

「『ハルメク』の編集長として、読者の方と接するようになってまず驚いたのは、みなさん、とても元気だということです。おしゃれや美容への関心も高いし、アクティブにあちこち飛び回っているし。それまで、70代というと、けっこうな高齢というイメージだったのですが、印象が変わりました。

そもそも、『ハルメク』ではシニアという言葉は使いません。自分のことをシニアだと思っていない60代、70代の方が、電車で席を譲られてショックだった、なんてお話しをされていたりもします。そもそも60歳以上の方すべてを同じカテゴリーにしてしまう、シニアという言葉自体が乱暴なんだと実感しました」