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アラフォー女優、最後の告白「それでも『結婚』が私の夢」

『新婚さんいらっしゃい!』に出たい!
松下 恵 プロフィール

十分、幸せ

何がなんでも結婚したかったら、今、こんな人生は歩んでいないはずだ。とっくに結婚相談所に行き、婚活パーティーに出席し、オンラインデートに登録し、卵子凍結にも精子バンクにも踏み出しているかもしれない。

先日、映画の取材で、週刊誌の記者さんとお話しさせていただいた。

そのとき教えていただいた情報は、私にとっては目からウロコだった。

もうすでにご存知の方もいるかと思いますが、世界最大の精子バンクは、デンマークにある。

Amazonよろしく、ネットで購入ボタンをポチッとクリックすれば、好みのタイプの男性の精子がすぐに配送されてくる。自分で人工授精を行うためのキットまで付いてくるのだ。

 

昔は、金髪で青い目など、ルックスで選ばれていたけれど、今、人気なのは「確実に受精できる精子」なのだそうだ。確かにイキの良い、強い精子でなければ、受精しないリスクは高くなる。

そして、精子のお値段は、卵子凍結にかかる費用よりは手が届きやすい価格らしい。

高学歴、高収入、キャリアウーマンでシングルマザーでもOK! という女性たちは、すでに卵子凍結し、精子だけを探しているらしい。

では、はたして、私は子供をひとりで育てていく自信が、あるのだろうか?

そもそも、子供だけが欲しいのか?

子孫を残したいから。自分を看取ってくれる人がほしいから。

どちらも自分にはしっくり来ない。

子供が好きで好きでしょうがない、というならわかる。だが、自己愛のかたまりである私は、子供よりも「自分が愛されたいタイプ」だ。

やっぱりパートナーがいて、その人との家庭を思い描いて、一緒に子育てをしていきたい。

私には、ひとりで子供を育てていく余裕も、覚悟もない。

可愛い赤ちゃんを抱いたお母さんを見て、日曜日の家族連れを見て、素敵だなと思う。そして、そう思いながら、「私の人生、なんでこうなっちゃったのかな」と思う。

でも、よくよく考えてみれば、それは「ないものねだり」なのだ。心から欲しているわけでもないのに、持っていないから欲しがっているだけなのだ。

今回の映画だったり、この連載だったり、お仕事をサポートしてくださる方々がいて、素晴らしい友人たちにも恵まれ、いつでも帰れる実家があり、今のところまだ親の介護の心配もない。そして、健康な自分がある。

アメリカでの1ヵ月の経験は大きな財産になった

「ないもの」に目を向けず、「あるもの」に目を向ければ、十分に幸せであることに気づかされる。

カリフォルニアのポジティブな風は、確かに私に元気を与えてくれた。でも、ポジティブだけではやっていけないこともわかった。

ときに自分を落ち込ませるくらい、心と向き合って「ああ、そこは痛い」と言いながら、前に進んでいかなきゃいけないんだな。

そういうことを学べただけでも、アメリカに1ヵ月滞在してよかったと、心から思う。