アラフォー女優、最後の告白「それでも『結婚』が私の夢」
『新婚さんいらっしゃい!』に出たい!結婚したいのに、結婚できないアラフォー女優が、その原因を探るべく、自分の内面の深いところと向き合った心の旅――。
自分の生い立ち、恋愛遍歴を振り返り、そして、ドキュメンタリー映画『アラフォーの挑戦 アメリカへ』のロケ地・ロサンゼルス周辺で1ヵ月を過ごして、人生観が異なる人々と語り合った。
いよいよ最終回。心の旅の結末で、彼女はどんな境地にたどりついたのだろうか。
(第1回はこちらから→<アラフォー女優の告白…「私が結婚できない理由を真剣に考えた」>https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60082)
はじめて原稿がボツになった理由とは
昨年の11月頃にこの連載を始めることが決まってから、書き終えた原稿を、担当編集者の方にチェックしていただきつつ、1ヵ月に1回のペースで打ち合わせをしてきた。
これまで、それほど大きな直しはなく、「もう少しこの部分をふくらませて」といったアドバイスをもらったり、原稿を書くときの細かいルールを教えていただく程度で、自分が思っていたよりすんなり来てしまった。
が、この最終回だけは「書き直し」となった。
ボツになった原稿の冒頭は、こんな感じで始まる。
「カリフォルニアでの1ヵ月間にわたる映画の撮影を終えた私は、驚くほどスッキリして帰国した。
『結婚できない』……だから、何?
それまで『世界情勢を揺るがすほどの、深刻な問題』だったことが、『あ、マスカラ、眉間につけちゃったよ』くらい、どうでもいい悩みだったと気づいたのだ。
どうしてそんな些細なことで、毎日をうじうじと過ごしていたのだろう。結婚できないから、私は人間失格なのか?
そんなことで落ち込む必要はまったくないじゃないか。いっそのこと結婚できない自分に自信を持とう!
堂々と『結婚できなくても、今の人生には満足しながら、突っ走っております!』と言ってやろうではないか!」
1ヵ月の渡米で、私は見事にポジティブに変わったことを宣言したような原稿だった。
……しかし、見抜かれていたのである。そんなの嘘だってこと。
「実際のところは、どうなんですか?」と打ち合わせで突っ込まれ、「うっ……」となってしまった。
はい、おっしゃる通りです。
……結婚、全然あきらめてません。
口では「もう結婚は、しばらく忘れるわ〜」と言いつつ、スマホをいじりながら、毎日必ず読んでしまうのは、
「35歳以上で幸せな結婚ができるのは、どんな女性?」
「アラフォー独身でも大丈夫! プロポーズの引き寄せ方、教えます」
とか、そんな記事ばっかりである。
原稿の書き直しをしながら、「今まで、自分から逃げて来たんだな」と思った。
本当は結婚したいけれど、そのために必死に努力するのもなんだか恥ずかしいとか、まあいつかなんとか、もしかしたらできるかもしれないし、今がそこそこ幸せだからそれでいいとか。
ずっと、言い訳してきたのだ。
私は、どうしても結婚したいのか、子供が欲しいのか。
そこにきちんと向き合うべきだと思った。