日本の生産性が低いのは、我々が「合理性」を憎んでいるからだった

こうして我々の国は貧しくなった

近代を理性=合理の時代だとすれば、前近代を支配しているのは直感(感情)=非合理だろう。そこで次のようにTweetした。

私にとってはこれまで何度も述べてきたことだが、驚いたことにこのTweetに200件ちかいコメントがついた。それも「炎上」ではなく、そのほとんどが「自分はこう考える」という意見だ。コメントをまとめたので実際に見ていただきたいが、参考になるものがたくさんあるだろう。

このまとめをつくったのは2週間ほど前だが、さらに驚いたことに、この短い期間に15万人が閲覧し、250件を超えるコメントが新たについている。

ここからわかるのは、多くのサラリーマンが職場の不合理で非効率的な慣行にうんざりしながら、それを変えることができないまま耐えているという現実だ。

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読解力・数的思考力、ITスキルのような仕事に必要な能力を測定するPIAAC(国際成人力調査)では、日本はOECDの参加24カ国中ほぼすべての分野で1位だ。それを考えれば、日本の労働者の能力が欧米に大きく劣っているとは考えにくい。

それなのになぜ日本人の労働生産性はアメリカ人の3分の2しかないのか。その理由は、日本の社会の仕組みや会社の働き方が間違っているからだろう。こうしてようやく安倍政権は、「働き方改革」「生産性革命」を掲げるようになった。

平成の「失われた30年」のあいだ、「知識人」もメディアもこの単純な事実(ファクト)をひたすら無視してきた。それは彼らが「日本人/男性/一流大学卒/正社員/中高年」という属性をもつ日本社会の主流派(マジョリティ)=「おっさん」で、社会の仕組みを変えると自分たちの既得権が脅かされることに気づいていたからだ。

その結果、「外国人/女性/高卒・中卒/非正規/若者」という少数派(マイノリティ)が犠牲にされることになった。平成のあいだに広がった「格差」は、この単純な図式でほぼ説明できるだろう。

 

会社嫌いなのに長時間働く日本人

「エンゲージメント」は、会社への関与の度合いや仕事との感情的なつながりを評価する基準だ。エンゲージメントの強い社員は仕事に対してポジティブで会社に忠誠心を持っており、エンゲージメントが低いと仕事にネガティブで会社を憎んでいるということになる。当然、社員のエンゲージメントが高い会社ほど生産性は高くなる。

近年になってエンゲージメントの重要性が認識されるようになって、コンサルタント会社を中心にさまざまな機関による国際比較が公表されている。

日本経済のもうひとつの「不都合な真実」は、ほぼすべての調査において、日本の労働者(サラリーマン)のエンゲージメントが極端に低いことだ。――世界22カ国のエンゲージメントレベルを評価した調査では、トップはインドの評価点25%で、メキシコが2位で評価点19%、アメリカは中間で評価点1%、日本は最下位で評価点はマイナス23%だった。