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戦わずして勝つ! 孫子に学ぶ投資の極意

無駄なエネルギーを使うな
大原 浩 プロフィール

日雇い投資家ではだめ

バフェットは、頻繁に売買するデイ・トレーダーのような人々を「しけもく投資家」と呼んでいる。

「しけもく」を知らない若い方々のために説明すると、戦後日本が貧しい時代には道端に落ちているたばこの吸い殻を拾い集めて、そのわずかに残った「最後の1服」を何十回も繰り返して、1本のタバコを吸った気分になる人々が結構いた。

大恐慌の時代に少年時代を過ごしたバフェットも、そのような人々をたくさん見かけたに違いない。

しけもくという言葉は、現在ではあまり一般的では無いので、私はこのような投資家を「日雇い投資家」と呼んでいる。

朝、駅前にトラックが横付けされる。するとその日1日の日払いの日当を求めて多くの人々が群がる。

もちろん、人々の選択には色々な考えや事情がある。しかし、読者が「しけもくか1本のたばこ」「日雇いか終身雇用の社員」を自由に選べるとしたらどうだろうか? 多くの人々が後者を選ぶのではないだろうか?

 

また、バフェットはこんなことも言っている。「例えば2人の、まったく同じくイケメンでおなじように性格が良い青年がいたとします。片方は日雇いの仕事で毎日3万円稼ぎます。もう片方は有名大学の大学院でMBAを取得中で、稼ぎが無いどころか学費や生活のための借金もあります。あなたは結婚相手としてどちらを選びますか?」

もちろんバフェットは日雇い投資家を非難しているわけでは無い。むしろ「大学で「日雇い投資家養成講座」の寄付講座を開設したい」と言っているし、「日雇い投資家の皆さんには足を向けて寝れない」とも発言している

市場暴落の時にパニックになって投げ売りをしてくれる彼らがいるからこそ、バフェットは「バーゲン価格」で株式を購入できるからである。

私も、バフェット同様「強欲」なので、自分の資産を「市場に寄付」するような篤志家には、残念ながらなれない。一生懸命市場で収益を得ようと頑張ってしまうのである……。

特に日雇い投資家が不利なのは、売買の度に手数料を払わなければならないことだ。ネット取引が普及して手数料の単価が下がっても、手軽になったせいで売買の回数が増えれば総額では同じだ。

その莫大な手数料のおかげで証券会社(仲介業者)は潤っている。日雇い投資家を積極的に応援するのは当然だ。

逆に長期投資家はじゃけんにされる。めったに手数料を落とさない彼らは邪魔者と言って良い。

バフェットが駆け出しの頃、証券会社の営業マンであったことはあまり知られていない。彼が顧客に推奨する銘柄は、ことごとく大幅上昇し、顧客は儲かった。しかし、顧客はその銘柄をただ持っていればよいだけなので、顧客が喜んでも、バフェットに次の発注か来ない。結局手数料を稼げないので、証券営業の仕事は短期間でやめざるを得なかった。