〔photo〕iStock
# がん

もしがん患者になっても「仕事を続けた」ほうがいい3つの理由

おカネのためだけじゃない

季節の変わり目は何かと体調を崩しやすい。そんなとき、普通なら、学校や会社を休んで療養する人がほとんどだろう。ある意味、それが当たり前なのだが、がんや心疾患、脳血管疾患といった重篤な病気に罹患しても、働き続ける人たちがいる。

健康な人から見れば、病気になったときくらいゆっくり休んで治療に専念すればいいのに、と思いがちだが、病気を抱えていても、仕事は安易に辞めるべきではなく、治療と仕事を両立させることは重要なのだという。

それは、なぜだろうか?

今回は、病気になっても、仕事を続けた方が良い3つの理由をご紹介しよう。

 

40代会社員女性、乳がんを会社に告げると…

2年前、山辺恭子さん(仮名・40代)は、定期的に受けていたがん検診で乳がんの疑いありといわれ、精密検査の結果、乳がんと診断された。幸いなことに早期で発見されたため、乳房は温存できるという。部分切除術後、抗がん剤治療と放射線治療を受けることになった。

恭子さんは、主治医から、乳がんと告げられたときもショックだったが、それ以上に、それを勤務先の社長に伝えたときのことが忘れられない。

〔photo〕iStock

その当時、恭子さんは、首都圏の建築設計事務所でCADオペレーターとして正社員で働いていた。業務上、パソコンを使ってさまざまな種類の図面を作成する必要がある。恭子さんが最も心配していた治療の副作用は、手術でわきの下のリンパ節廓清をした場合、腕がひどくむくんだり、上がらなくなったりするリンパ浮腫だった。

しかし、主治医から、リンパ節切除の可能性は低いと聞いていたし、入院期間も1週間程度で、有給休暇の範囲内でまかなえそうである。

恭子さんは、できるだけ治療と仕事を両立させるつもりで、乳がんと診断されたことや今後の治療のスケジュールなどを、すぐに社長に報告したのだった。

しかし、そこで社長に告げられたのは、「退職して治療に専念した方が良いのではないか」の一言だった。