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中国で自動運転バスに乗って判明! AI覇権争いでグーグルは負ける

アメリカだけに目を奪われると見誤る
田中 道昭 プロフィール

バスと老夫婦の距離は1メートにも満たない。すれすれで、また安全正確に通過するバスに、私と同行していた同僚たちは思わず「すごい!」「こんなせまい間隔で、通り抜けたぞ!」と歓声を上げた。

中国人老夫婦もすれ違いざまでもバスを警戒することなくにこやかに談笑していたことが驚きだった。彼らはこのバスの自動運転に危険をまったく感じていない。バイドゥの自動運転バスは、すでにこの公園を利用する中国人たちの信頼を獲得しているのだ。

自動運転バスとすれ違う人。一切、危険を感じていない。筆者撮影

しばらく進むとバスはおもむろに停車した。信号機もない、バス停でもないその場所で、なぜ停車したのか。あたりを見渡すと、ジョギング中のランナーが迫ってきていた。彼らが無事、道路を横切っていくと、バスはまた走り始めたのだった。

安全かつ、完璧な自動運転を目の当たりにした私と同僚の口から、次に出たのはため息だった。

「ここまでテクノロジーは進んでいるのか…」

 

米CESで見た「進化」

バイドゥはこの自動運転バスを中国21カ所ですでに運用している。公道を走る実用化目前の「社会実装」がすでに始まっているのである。特に公園内の道路という、自動運転車と歩行者の区別がない道路で自動運転車を走らせていることは大きな驚きだった。そこには明らかに自動運転車と人との接触をもディープラーニングさせようとする意図が見えるからだ。

今年1月、筆者は米ラスベガスにいた。毎年参加しているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー、世界最大規模の家電・情報通信技術の見本市)の今年最大の注目株がこのバイドゥだった。

この時、彼らがブースで誇示していた映像とその内容に筆者は衝撃を受けた。

「我々は昨年7月4日より、世界初のレベル4自動運転バスの量産化に入っている」

レベル4とは操作に人間が一切関与しない、一定の領域内を走行する段階。なお領域外を自由に行き来できる段階はレベル5。路線バスはレベル4で実用化可能なのだ。

この前年、18年1月に行われたCESでバイドゥは自動運転プラットフォーム構想「アポロ計画」をぶち上げ、昨年中の自動運転バスの実用化計画を発表していた。それから1年後の今年のCESではその計画を達成して社会実装にこぎつけただけでなく、すでに「量産化」に入っていたのだ。筆者にはこれがグーグル越えの一手として深く脳裏に焼き付いた。

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