令和の時代の日本経済はどうなる?成長、停滞、破綻の3つのシナリオ

破綻シナリオは避けたいが…

「令和の経済、どうなりますか?」

政府は先週月曜日(4月1日)、平成に代わる新しい元号を「令和」と決定、皇太子さまが新天皇に即位する5月1日午前0時に平成から令和に改まることになった。出典は「万葉集」で、日本の古典から採用されたのは確認できる限り初めてのことという。新元号の発表で、日本中が明るく、お祝いムードに沸いている。

日本にとって、平成の足かけ31年間は戦争のない平和な時代だったが、暮らし向きが楽になった人は少なく、経済にはちょっと物足りなく感じる人が多いかもしれない。

筆者はあちこちで「令和の経済はどうなりますか?」と問われる毎日だが、お祝いムードに水を差すようなことを言うのも憚られ、答えに窮していた。

しかし、かつてのシンクタンク予測には、大胆な改革をすれば、1人当たり国民総所得(GNI)で世界3位に浮上するポテンシャルがあるとしたものもある。必ずしも明るいとは言えない令和の日本経済を取り巻く環境と、そうした中でどうすれば豊かで安定した暮らしを維持できるか考えてみよう。

 

平成経済とは何だったか

まずは、幕を閉じようとしている平成がどういう時代だったか振り返る。

平成は、昭和天皇が昭和64年(1989年)1月7日に崩御され、その翌日改元されて、1989年の1月8日にスタートした。今から振り返れば、この年はバブル経済の崩壊の年だが、改元の頃は経済がまさに絶好調で、忍び寄るバブル崩壊の足音を意識している人などほとんどいなかった。多くの国民は繁栄が続くと疑わず、陽気なセンチメントに包まれていた。

昭和天皇の崩御を受けて、2日間にわたり、テレビが通常放送やCMを自粛して追悼番組一色となると、競ってレンタルビデオ店に人々が押し寄せるような世相だったのだ。

この年の前半に世間を揺るがせたのが、リクルート事件だ。学生時代にベンチャー企業リクルート社を創業した、元会長の江副浩正氏が政財官界の要人に賄賂として「濡れ手で粟の未公開株」などを配ったとされた事件である。当時の竹下登総理が巨額の資金供与を受けており、引責辞任することになった大経済事件だ。

秋になると、ソニーによるハリウッド映画大手のコロンビア買収や三菱地所によるニューヨークのロックフェラー・センター買収など、日本企業の大型買収が相次ぎ、日本脅威論にアメリカ国民は震え上がった。

そして、年の瀬が迫った12月29日、東京証券取引所の大納会で日経平均株価がザラ場(取引時間中)の史上最高値となる38,957円44銭を記録した。日本株相場はこれを最後に、平成2年(1990年)の大発会から下落へ転じ、バブル経済は崩壊した。