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大阪ダブル選、維新コンビが圧勝した理由と「それでも消えない不安」

今後も政争が繰り返されるのか?

大阪の未来は、これで変わるのか

大阪府知事だった松井一郎氏が大阪市長選に、大阪市長だった吉村洋文氏が大阪府知事選に出馬するーーそんな異例の「ダブル選挙」そして「クロス選挙」として注目を集めた、大阪府知事・市長選挙が4月7日、投開票された。

蓋を開けてみれば、結果は松井・吉村両氏の圧勝。自民党・公明党、共産党は陣営の違いを超えて足並みをそろえ、大阪維新の会の勢いを止めようとしたが、力及ばなかった。結党から9年、大阪における維新支持の底堅さが証明された。

ただおそらく、関西以外に住む読者にとっては、今回の選挙に関して「そもそも、なぜ府知事と市長のダブル選となったのか」「大阪都構想との絡みはどうなっているのか」といった、根本の部分からして「今ひとつよくわからない」というのが本音ではないだろうか。

そこで本稿では、今回の大阪における選挙がいったいどのような経緯で戦われたか、そして大阪の未来にどのような影響を与えるのかについて、現場で筆者が得た情報を総合しつつ解説したい。

 

ダブル選を招いた「維新・公明のバーター」

松井氏と吉村氏の任期満了は、本来であればそれぞれ今年の11月と12月だった。府知事と市長のポストをいったん辞し、府議選・市議選が行われるこの4月の統一地方選に合わせて選挙を行い、両者が入れ替わる形で出馬すると正式に表明したのが3月上旬のことだ。

大阪維新の会は、今回の選挙を「大阪都構想への再チャレンジ」を大義に掲げて戦った。松井・吉村両氏の辞職と出馬は、都構想という旗印を明確にするとともに、大阪府民・市民に維新の政治の「信を問う」という、国政でいうところの解散総選挙的な色合いをもつものだったといえる。

そもそも大阪都構想は、2015年5月に大阪市で行われた住民投票において否決され、一度廃案となった政策である。松井氏と吉村氏は、同年11月に行われた府知事選と市長選において、その復活と住民投票の再実施を目玉として掲げ、当選した経緯がある。

住民投票の再実施には、府議会と大阪市議会の双方で過半数の賛成を得なければならない。ところが、大阪維新の会は前回の府議選・市議選で、ともに単独過半数の議席を確保できていなかった。

そこで、彼らが目をつけたのが公明党である。押さえておかねばならないのは、国政選挙との兼ね合いだ。

衆議院の大阪選挙区の現職議員を見ると、公明党が現在4議席を占めている。周知の通り、衆院選において比例区を主戦場とする公明党にとって、この4選挙区は貴重である。公明党の内部では「常勝関西」と呼び習わされているが、その本丸である大阪は長年彼らの牙城であり続けてきた。

しかし維新の勢力が大阪に根付き始めたことによって、その「常勝」の構図にも陰りが見えるようになった。維新の側が、「衆院選で公明党候補に対する『刺客』を擁立するかしないかが、公明党との強力な交渉材料になる」と考えるのは必然だ。