# 韓国経済

韓国「止まらぬ経済悪化」で文在寅政権が迎える新たな危機

食い止めるのは相当困難
真壁 昭夫 プロフィール

高まる韓国の政治不安

半導体輸出に急ブレーキがかかる中、文政権が経済の安定を目指すことは難しい。米国と中国などの通商摩擦などを受けて、世界的に貿易取引は減少している。中国がインフラ投資や減税によって景気刺激に取り組んでいることは、世界経済には相応のプラスの影響を与えるだろう。ただ、それが、韓国の輸出持ち直しにつながるとは言いづらくなっている。

なぜなら、韓国にとって最大の輸出先である中国は、半導体の国内生産能力を高めようとしているからだ。中国経済が持ち直したとしても、過去のようなペースで韓国の対中輸出が増えるとは考えづらい。文政権が中国との関係を強化しようにも、習近平国家主席は韓国よりもわが国との関係強化を重視している。

 

今後、韓国では所得・雇用環境への不安が高まる可能性がある。韓国では労働組合の力が強い。景気が悪化すると、労働組合は組合構成員の雇用や所得を守ることを、従来以上に重視するようになる。

そのしわ寄せとして、新卒者を中心に若年層の失業率は追加的に上昇するだろう。これは、社会の不満を増大させ、政治不安を高める要因だ。

韓国が、経済の停滞懸念が政治不安に波及するという負の連鎖を止めることはかなり難しい。文政権は、世論の不満に配慮し、対日強硬姿勢をとらざるを得ないはずだ。それに加え、米韓関係もこじれている。景気が一段と悪化するにつれ、国際社会の中で韓国の孤立感は高まる恐れがある。