# 韓国経済

韓国「止まらぬ経済悪化」で文在寅政権が迎える新たな危機

食い止めるのは相当困難

韓国経済の先行き懸念が高まっている。信号に例えれば、黄色から赤色に変わりつつある状況だろう。特に無視できないのが、韓国経済を引っ張ってきたサムスン電子の急速な業績悪化だ。同社は、世界的な半導体需要の低下に加え、メモリー価格の下落にも直面している。短期間でこの状況が好転することは考えづらい。

当面、韓国の輸出には下押し圧力がかかるだろう。輸出が増加しないと、韓国がGDP成長率を高めることは困難だ。文大統領が経済の安定化を目指すにも、効果の見込める政策が見当たらない。経済の減速・失速懸念の上昇とともに、韓国の政治不安定感は一段と高まる可能性が高い。

 

半導体輸出が支えた韓国経済だが…

韓国経済には2つの特徴がある。まず、韓国経済は財閥企業の業績に大きく依存している。サムスン電子と現代自動車の売上高を合計すると、韓国GDPの20%程度に達する。もう一つが貿易への依存度が高いことだ。韓国の貿易依存度(GDPに占める輸出入の割合)は80%程度とかなり高い。

2016年半ばごろから、韓国経済は緩やかに持ち直した。中国がインフラ投資に加え、省人化技術導入のために半導体を買い漁ったことが韓国の景気持ち直しに寄与した。加えて、世界各国でデータセンターの設置が進んだことが、DRAM需要を押し上げた。サムスン電子など韓国エレクトロニクス企業は、こうした需要を取り込んで業績の拡大を実現した。

一転して、昨年、米中貿易戦争の影響から、中国経済の減速が鮮明化した。また、世界的にスマートフォン出荷台数も減少した。サムスン電子は、半導体やメモリー需要の急減に直面し、業績は急速かつ大幅に悪化し始めた。2019年第1四半期、サムスン電子の営業利益は、前年同期比60%も減少した。状況はかなり厳しい。

この結果、韓国経済は下り坂を転げ落ちるような勢いで減速している。更に悪いことに、米アマゾンがサムスン電子製DRAMのリコールを求めたようだ。サムスン電子にとって、半導体事業はスマートフォン発火問題を受けた業績悪化を食い止めた成長の要だ。サムスン電子の業績悪化懸念は追加的に高まりやすい。

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