科学で判明「ゴルフは手首を返さないスイングが最強」である理由

欧米のトッププロは全員、この打ち方!

「日本のスイング理論は“ガラパゴス化”している!」

こう断言するまったく新しいゴルフの理論書『世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法』が、いよいよ4月17日に登場する。発売前から増刷したという話題の書だ。著者の板橋繁さんは、ジェイソン・デイの母校であるオーストラリアの名門・ヒルズ学園ゴルフ部の元監督で、現在はゴールドワンゴルフスクールを主宰しているプロコーチだ。

ゴルフ歴20年、スイング理論は大好きだが、実践が伴わない編集部随一のゴルフ好きOが、世界最先端のゴルフスイングについて、板橋さんを相手にゴルフ問答を挑む大好評の短期集中連載。第2回は、スイングのメカニズムについて、“ジャパニーズ・スイング”と“世界標準”の違いを、具体的に解き明かしていく。

「手首を返す」はなぜNGなのか?

──前回の記事で、ゴルフスイングには「リストターンするか」「しないか」の2つの潮流があり、日本は前者で、世界標準は後者であると伺いました。「手首を返す」ことには、具体的にどのような弊害があるのでしょうか?

板橋「話の大前提として、みなさんはどのようにして“ボールを遠くに飛ばそう”と考えていらっしゃいますか?

日本の(右利きの)ゴルファーのほとんどは、左肩の開きを我慢して左脇を締め、クラブを右腰の横に引き下ろしてタメをつくったら、胸を正面に向けたまま手元(グリップ)を止めて支点をつくり、腕を返すことでクラブヘッドのスピードを上げようとしています。要するに、〈テコの原理〉を応用しようという発想ですよね」

──日本のスイング理論では、トップからなるべく最短距離でクラブをボールにぶつけ、そのうえでリストを上手に使わせようとしますね。

板橋「“上級者”になると、さらに左肩の開きを我慢して左足を踏み込み、腰をターゲット方向にスライドさせる。そして、腰の回転を止めたまま左肩を支点にして腕を振り下ろします。グリップが体の正面まで下りてきたら、こんどは手元(グリップ)を支点にしてクラブを振り、さらにヘッドを走らせようとする。いわゆる"二重振り子打法"です」

【写真】
  「世界一美しいスイングから多くを学びました」身振りを交えながら話を進めていく板橋さん

伝説のゴルファーが遺した名言

──素人考えで恐縮ですが、日本的な〈テコの原理〉を利用した打ち方のほうが、リストターンしないスイングよりも飛ぶような気がするのですが。

板橋「『世界一スイングが美しい』と称された伝説のゴルファー、ベン・ホーガンは“スイング中、右手はつねに左手の下にある”と語っています。これが、手首を返さないスイング、すなわち『ノーリストターン』スイングです。

【写真】ベン・ホーガン
  「右手はつねに左手の下にある」の名言を残したベン・ホーガン photo by gettyimages

ところが、多くの日本人ゴルファーは、スイング中に腕を返してしまうので、スイングの途中で右手が上になってしまう。しかし現在、欧米のツアーにおいて日本的な腕(リスト)の使い方をするトッププロは、まず見かけません。もちろん、アジア系のプレイヤーも同様です」

──つまり、リストを使わなくても世界で戦える飛距離は出せる、と。

板橋「まったくそのとおりです。むしろ、手首を返すよりも、ノーリストターンスイングのほうが、物理的には大きな力をボールに伝えることができる。そのうえ、まっすぐ飛ばすこともたやすいという特徴があります」