一度治療した歯は、詰め物の経年劣化によって境目に虫歯が進行することもあるため、虫歯を作らないに越したことはありません。自分と家族の歯のための、正しい虫歯予防の知識とは? 健康な歯を失わないための正しい知識を、全国の信頼できる歯科医に教えてもらいました。

教えてくれたのは……(50音順)
ユニゾン・デンタル・オフィス
麻生昌秀院長

東京歯科大学卒。歯科医院で13年勤務後、2004年に東京お茶の水歯科クリニック、2009年にユニゾン・デンタル・オフィス開院。

MMデンタルクリニック東京
勝山裕子院長

昭和大学歯学部卒。神奈川県川崎市の歯科医院で副院長として14年勤務後、2018年開業。

あすなろ小児歯科医院
佐野哲文副院長

明海大学歯学部大学院修了。テーマパークのような設備や演出で子どもたちに人気の歯科医院は、予防歯科の新しいカタチと話題。

田代歯科医院
田代浩史院長

東京医科歯科大学卒。同大学の大学院修了後、2003年開業。東京医科歯科大学のう蝕制御学非常勤講師。

みらい歯科 こども矯正歯科
中村好一院長

鹿児島大学歯学部卒。勤務医として歯科医院で9年勤務後、2009年開業。

NPO法人最先端のむし歯・歯周病予防を要求する会
西真紀子理事長

大阪大学歯学部卒。スウェーデン・マルメ大学(WHO共同センター)留学。アイルランド・コーク大学歯学部(WHO 共同センター)修士号・博士号取得。

大人の虫歯と子どもの虫歯は
できる部位が違う

子どもの頃の虫歯といえば奥歯の噛み合わせの溝でしたが、大人は歯と歯の間や歯の根元に虫歯ができることが多くなります。また、虫歯の原因にも違いが。

「子どもの虫歯は磨き残しが原因。一方大人の虫歯は砂糖の入った飲料をちびちびと飲む傾向のある人が虫歯になりやすいようです」(あすなろ小児歯科医院 佐野先生)
 

虫歯じゃないのに歯が溶ける
「酸蝕症」が増えている

近年、虫歯、歯周病に次ぐ第3の歯科疾患として注目される酸蝕症は、酸性の食品を短期間に繰り返し摂る人に見られる疾患です。

「虫歯も酸蝕症も、酸によって歯が溶けるのですが、酸蝕症は炭酸飲料やワイン、柑橘類など、強い酸性の飲食物によって起こる一方、虫歯は砂糖や糖質を含む飲食物によって起こります」(あすなろ小児歯科医院 佐野先生)
 

食後のお茶ゆすぎで
虫歯予防の効果は……!?

緑茶には菌の増殖を抑える効果があるため虫歯予防効果があるという話は聞いたことがあるはず。実はこの説、真偽のほどはわからないのだそう。

「緑茶のカテキンが、虫歯菌の増殖とプラーク形成を抑制するという説もありますが、カテキンを口の中で長時間作用させるのは難しいので、ゆすぎ程度では効果が薄いでしょう」(MMデンタルクリニック東京 勝山先生)
 

予防歯科の普及により
子どもの虫歯罹患率が下がっている

厚生労働省歯科疾患実態調査(平成28年)

折れ線グラフは、子どもの虫歯が減っていることがわかるデータ。

「当院でも歯が生えてすぐにお子さんを連れて来る親御さんがたくさんいます。フッ素やキシリトールなど虫歯予防製品の普及と、虫歯予防に対する個々の意識の向上が影響していると思います」(みらい歯科・こども矯正歯科 中村先生)