歯ブラシのみで落とせる
歯間部の歯垢はたったの6割

日本歯科保存学雑誌 48巻 275 ページ 図4(2005年発行、高世尚子著)

上の数値が示すように、歯ブラシだけで汚れを落とした場合、歯間の汚れは6割程度しか落ちません。歯磨きには、歯間クリーナーを組み合わせなければならないことがわかります。

「大学歯学部の授業で、歯ブラシだけで汚れを落としてみるという授業があるのですが、100%に近い状態になるのに1時間以上かかります」(みらい歯科・こども矯正歯科 中村先生)
 

広がった歯ブラシの
歯間部の汚れ落ちは新品の55%

どのくらい広がった歯ブラシなのかは気になるところですが、たしかに新品と使い古しでは、汚れ落ちに差があるよう。

「歯ブラシには効率よく汚れを落とすための工夫がされてはいますが、長く使うと本来の効果が発揮できなくなります。1ケ月に1回を目安に交換するのが良いと思います」(あすなろ小児歯科医院 佐野先生)

※サンスター調べ、奥歯の歯間部の清掃性変化(初期を100%とする)〈試験条件〉対象歯ブラシ:3列歯ブラシ(初期100%、毛開き120%)、試験機:ブラッシングシュミレーター 、試験条件:ブラッシング圧/200g ストローク/20mmスピード/180rpm、評価歯:第一大臼歯
 

就寝前の歯磨きに
一番時間をかけよう

就寝中は、抗菌作用や自浄作用のある唾液の分泌が減ってしまうので、夜、寝る前の歯磨きで歯間部まで念入りに磨くことで、朝の口内の細菌の数が違うそう。

「朝起きたときに口臭が強くなるのは雑菌の繁殖のためです。歯を磨かずに寝ると、虫歯や歯周病の危険性が高まるのもこのためです」(みらい歯科・こども矯正歯科 中村先生)
 

【COLUMN】
古今東西「歯ブラシの歴史」

「房楊枝を用いた歯みがき 芳年画」
房楊枝は小枝の先端を加工して柔らかい房状にしたもの。このような、房楊枝を使って歯を磨く女性の浮世絵が数多く残されています。
協力/神奈川県歯科医師会 歯の博物館

歯磨きの習慣の起源には諸説ありますが、日本には仏教とともに伝来し、平安時代には僧侶、貴族、武士の間に広まったといわれています。江戸時代には庶民の間にも広く普及し、日本の歯ブラシの起源である「房楊枝」は明治中期まで使われました。明治初期、現在の歯ブラシに近い洋式歯ブラシが輸入され、大正期には日本製の歯ブラシも登場しました。


●情報は、FRaU2019年5月号発売時点のものです。
Photograph:Masahiro Tamura(FREAKS) Styling:Rina Taruyama Hair&Make-up:Megumi Kato Model:Kurumi Emond Illustration:Juriko Kosaka