HIS澤田会長の巨額詐欺被害で「あの大学」の名前が出てきた事情

別の詐欺事件の裁判中に…?
時任 兼作 プロフィール

「別の詐欺事件」の裁判が進行中

石川氏は2018年11月、58億3000万円の支払いを求めて東京地裁に提訴。同日、警視庁捜査2課に告訴状を提出した。

つまりAは、ありもしないリクルート株を名目とした「M資金まがい」の詐欺事件の後段に登場し、別の投資詐欺を行った結果、現在、民事・刑事の事件当事者となっているわけだ。

さらにAは、この事件と同時期に、別の件でも裁判沙汰になっていたことが判明した。しかも、こちらはまさに日大を舞台にした詐欺事件だ。

 

前出の警視庁の捜査関係者が語る。

「事件の概要は、日大の仕事を欲しがっている業者を騙して、4000万円近くのカネを引き出したというもの。2017年に東京地裁に提訴され、現在も裁判が続いている」

訴状を見てみると、事の起こりは2013年2月、業者が知人を通じてAを紹介されたことであったという。その部分を引用しておこう。

〈被告A(訴状では実名。以下同)は被告UN校友会(UNはNippon Universityの頭文字)の代表取締役と称し、自分は被告日本大学の執行部と常に仕事をしており、被告日本大学に特別な力を有しており、被告日本大学に関する大抵のことなら何でも可能であると自慢げに話し、その直後、原告Bに対して、実際に被告日本大学の常務理事である被告Cを紹介した。

そして、被告A及び被告Cは、真実は、(千代田区神田)駿河台所在の日本大学病院の業務を受託する業者を選定する権限がないのに、被告A及び被告Cの指示に従えば、日本大学病院の業務を行う業者に指定され、確実に仕事を受注できるかのように原告らを欺罔(ぎもう)し(た)〉

これをきっかけに、日大工学部の工事などほかの案件も持ち出し、時には「理事長への工作資金だ」「理事長の直接案件として進行している」などと説得して、2014年3月までの間に3800万円を騙し取ったという。

業者はそれ以後、ひたすら受注の報せを待ったが朗報はなく、「2016年末には」との約束も反故にされ、翌2017年に提訴に踏み切った。そして、2018年、公判が始まり、現在なお進行中ということだ。