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HIS澤田会長の巨額詐欺被害で「あの大学」の名前が出てきた事情

別の詐欺事件の裁判中に…?

捜査線上に現れた「日大人脈」

旅行代理店大手のエイチ・アイ・エス(HIS)会長であり、長崎県のテーマパーク・ハウステンボスの社長でもある澤田秀雄氏が、「M資金まがい」の投資詐欺被害に遭ったとみられる、との報道がなされている。

実際はどうなのか――。

「事実だ」

と語るのは、長崎県警の捜査関係者だ。

「2月末、東証上場へ向けて準備を進めていることを公表したハウステンボスとしては、詐欺被害の原資が澤田氏の要請でハウステンボスから出されており、その後、澤田氏が所有していたHISの株式を売却して被害による欠損を埋めるなどの会計操作があったため、事をうやむやにはできずに、先頃、長崎県警に被害届を提出した。そのことから、被害者が澤田氏であることが判明した」

同県警はハウステンボスからの被害届を受け、捜査に着手。すでに騙し取られた投資資金の行方をつかんだともいうが、その一方、東京地裁では投資による利益も含めた金額の支払いを求める民事訴訟が進行中である。原告は、ハウステンボスの事業にも関わる澤田氏の関係者。この関係者は同時に、警視庁にも詐欺の容疑で刑事告訴を行っている。

そうしたなか、この問題に絡んで、ひそかに「別の問題」が浮上し、注目を集め始めている。警視庁の捜査関係者がこう明かす。

 

「告訴を受けて調べてみると、“日大闇人脈”のひとりと言われるAという人物が捜査線上に浮上した。

このAには、日大の幹部とつるんで、日大が発注する工事をエサに詐欺まがいのことを行った過去がある。その幹部は、田中(英寿)理事長の側近。大学の中枢にいるだけに、おざなりにできない」

日大と言えば、昨年5月にアメフト部の「悪質タックル事件」が発生して以降、数々の問題が表面化し物議を醸してはきたが、投資詐欺のような噂は寡聞にして聞かない。

いったいAは、澤田氏の詐欺事件のどこに、どうかかわっているというのだろうか。

澤田氏の事件のきっかけは、昨年2月、ハウステンボスが考案した金本位制に基づく仮想通貨事業で金の調達を一手に引き受け、澤田氏に高く評価された金取引会社社長の石川雄太氏のもとに、こんな話が持ちかけられたことだった。

「リクルート創業者の江副浩正氏が、安定株主対策として預けた株が、財務省に大量に保管されている。財務省とリクルートの承諾があれば、ワンロット50億円といった大口に限り、市価の1割引き程度で供給される」

これを聞いた石川氏は、ワンロットの購入を決め、澤田氏に相談して資金提供を受けた。だが、代金を支払おうとも、株が引き渡されることはなかった。

そこで石川氏は、元金返済と株の転売利益の支払いを求めたものの叶わず、代わりに同額の収益が上がるという新たな投資案件を持ちかけられた。その投資案件の運用・管理をしているとされる人物がAだったのである。

しかしAは、まず11億円余を石川氏の口座に振り込み、いったん信用させたのち、40億円の偽造為替手形を交付して、そのまま連絡を絶ってしまった。