photo by iStock

あなたの価値を何倍にも高める「会社の辞め方」、お教えします

転職が普通になった今こそ知りたい

「出戻り転職者」が増えている

ここ数年、人材の流動化が加速しています。原因は、労働人口の減少が本格化してきたこと。人手不足ゆえに、長らく純血主義を守ってきた日本企業も外から人材を採らないと運営が難しくなってきたため、積極的に中途採用せざるを得なくなったのです。

個人にとって「転職」という選択肢が増えることはよいことなのですが、一方で、意外な事態も起きています。いわゆる「出戻り」が増えてきています。つまり、一度去った会社にまた戻ってくるというケースです。

転職するときは夢一杯ですから「自分は経験と専門性を買われているのだから、転職先に馴染めるかどうかはあまり問題ではない」と思うかもしれません。しかし、能力を発揮する以前に感情のもつれなどによって新しい会社でうまく仕事ができなくなってしまうことは、優秀さに関わらずすべての転職者に起こりうる事態です。

〔PHOTO〕iStock

健康・美容関係の商品を扱う著者の会社でも、業務以外の事情も重なって美容系の会社に転職した社員が、半年経って戻ってきてくれたことがありました。弊社では該当部門は慢性的な人手不足の事情もあり喜んで受け入れました。

戻ってきた社員は、転職を経て、自分が心から良いと思える物を売るということの大切さ、現在の会社の働きやすさを知ったと言い、以前よりもいっそうはつらつと働いてくれています。一般的に出戻り社員は問題意識も高くなり、自社ではなかなか得られないアングルでの成長をしてくるので、会社にとっては実にありがたい存在になり得ます。

この社員のケースのように、「出戻り」がうまくいけば問題はありません。しかし中には、いい加減な辞め方をしてしまったせいで、その後の自分の首を絞めてしまうビジネスパーソンも少なからずいます。急激に中途採用が増えてきたこと、個人にとっては売り手市場になってきたことの副作用と言っていいでしょう。

 

「美しく辞める」ことが選択肢を拡げる

こうした事例からもわかる通り、実は転職をするときには、「辞め方」こそが極めて重要です。著者自身が8回も転職している経験者でもあるのでその重要性を強く実感していますが、まだまだ世間ではそれを意識していない人が多いようです。

前職にいい印象を残しておくことがなぜ重要なのか。上記のように「出戻り」がしにくくなることに加え、ほかにも重要な理由があります。それは「評判」です。

前述のように労働市場の流動性が高まったことによって、日本でも「会社内」「組織内」ではなく、「会社間」「組織間」での評判の重要度が以前に比べてグッと増してきています。

業界内、業界間での人材の行き来が活発になることで、人材の評判は現在の会社にとどまらず、同業他社や取引先など社員同士が接点を持ちうる会社にも伝わっていく可能性が高まっています。