お弁当にまつわる“あるある”悩みを解決しながら、楽しく、美味しいお弁当作りを目指すべく、前回の記事からスタートした連載「おべんたふるらいふ」。
文章の校正という細かい仕事柄、細部にまで気を配りながら家族のために毎日お弁当を作り続けていたら、食に関する資格を取得し、料理教室の講師までやるようになったお弁当マスターの大橋日登美さん。今回は、「だし巻き卵」について教えていただきました。
お弁当が華やぐ、だし巻き卵は
その日の気分で“味変”を♪
第2回のテーマは、お弁当の名脇役【だし巻き卵】。
皆さんは「甘い派」ですか?
それとも「だし派」?
私は長い間「甘い派」でした。
それは、母の作ってくれただし巻き卵が甘かったから。
料理上手な母のお弁当は、どのおかずもおいしかったのですが、とくに大好きなだし巻き卵が入っていると、最後に食べる楽しみにとっておいていました。
きっと皆さんにも、だし巻き卵に関するおいしい思い出がおありになることと思います。
だし巻きは、それくらい百者百様の思い入れのある【お弁当の華】。
結婚した夫は関西人なので「だし派」でした。
しばらくは甘い派だし巻き、だし派だし巻きを交互に焼いていたのですが、ある時期から私も「だし派」に転向してしまいました。
もちろん甘いだし巻き卵は今でも大好きなのですが、お弁当に入れるときはだしを中心にした味のほうが、バリエーションを出しやすいから、なんです。
私はお弁当を作るときに、「朝作るのは2品まで」と決めています。サブおかずは作り置きを活用し、詰めるだけ。
朝作る2品はメインおかずとだし巻き卵。
このように「がんばりすぎないルール」を定めてからは、お弁当作りが格段にラクになりました。
その代わり、だし巻き卵を入れるときはバリエーションを大事にしています。
今回はだしを中心にしたレシピを数多くご紹介するとともに、とっておきの甘いだし巻き卵のレシピも最後に。
その日の気分で、おかずをたっぷり巻き込んだだし巻きにしてもよし、デザート感覚で甘くしてもよし。卵の「懐の深さ」をたっぷり感じてくださいませ。
それでは、まずは【基本のだし巻き卵】を、混ぜ方から焼き方まで。
何百回も焼いて体得した【だし巻き卵をうまく焼くコツ】をお伝えします!
キレイに仕上げるコツは
混ぜ方と冷まし方にアリ!
【基本のだし巻き卵】
<材料> 2人分
卵(Mサイズ)…2個
白だし……………大さじ1
酒…………………大さじ1
水…………………大さじ2
油…………………少々
<作り方>
【1】卵を計量カップ(またはボウル。以下同様)に割りほぐし、白だし、酒、水を加えて、白身を切るように摘まみあげながらよくかき混ぜ、白身と黄身を完全に混ぜる。
【2】卵焼き器に油を引いて中火にかけ、充分熱くなったら弱火にして【1】を少量注ぎ、卵焼き器を動かして卵液を全体に薄くのばす。
【3】フライ返しと菜箸で奥から手前に卵液をくるくると巻き、卵焼きの芯を作る。
【4】卵液を注ぎ、芯を箸で持ちあげるようにして、芯の下にも卵液が入るようにしながら全体に薄くのばし、芯を手前から奥へくるくると巻いていく。
【5】卵液がくっつきやすくなったら油を少し足し、卵液を注いで奥から手前へ、手前から奥へ、と同様に焼き重ねていく。最後の一巻きはごく弱火で丁寧に焼く。
【6】焼きあがったら鬼すだれで巻いて輪ゴムで留め、縦に立てて冷ます。
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