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「令和」発表で日本株「ご祝儀相場が始まった」は本当か?

市場関係者は口を揃えて…

4月1日、新元号「令和」が発表され、同日午前の東京株式市場の上げ幅は一時先週末比で500円近くとなった。

「ご祝儀相場」とも呼ばれたが、市場関係者の間では「マスコミが無理矢理、ムードをでっち上げただけ」と冷ややかな声が大勢だ。実際、午後には売りが先行したこともあり、上げ幅は300円程度に収まった。背景に何があったのか?

 

祝福ムードの裏で…

「新しい元号は、令和であります」。1日の午前11時半ごろ、菅義偉官房長官が新元号を発表した。東京証券取引所でも株価ボードに「令和」の文字を走らせるなど、改元を祝った。

1日の東京株式市場では、日経平均株価の上げ幅が一時前週末比473円を超えた。ただ、終値は前週末比303円22銭高の2万1509円3銭と少し後退。値上がりしたことには値上がりしたが、改元による書類更新などの特需が見込まれるとの思惑で、製紙や印刷をはじめ一部の上昇にとどまった。

中堅証券のベテラントレーダーはこう解説する。

「ご祝儀相場なんていう人が多いですけど、昭和でもあるまいし、今時あり得ないですよ。

理由は簡単で、証券会社や信託銀行が、顧客から預かったお金を昔みたいに説明しないまま勝手に運用できなくなったから。昭和から平成になった時は『おお、めでたい!ガンガン祝儀張ったれや!』という感じでしたが、今はどの金融商品を購入したかを逐次報告しないといけません。勝手に運用した瞬間、投資家から『ふざけるな』って詰められますからね」

バブル崩壊以前の昭和から平成の変わり目には、昭和天皇の崩御の直後、世間の自粛ムードと裏腹に日経平均株価は急騰。また、当時は出資者が信託銀行や証券会社に預けたお金を好きに運用してよい金融商品「特定金銭信託」が流行しており、いわば野放し状態だった。

「財テクで注目され、その後法律で禁じられた営業特金はバブル崩壊の引き金にもなりました。それもあって、今は『ご祝儀相場』なんてものが存在しえないんですよ」(先のベテラントレーダー)

では今回、1日の相場が値上がりした本当の理由は何か。大手証券のアナリストはこう解説する。

「米中の通商協議に進展があったと新華社などで報道があり、今後の先行きが明るくなったということがまずひとつ。それと、中国の3月の製造業購買担当者景況指数(PMI)が改善したことで、1日の中国・上海株が大幅高になり、中国経済減速に対する懸念が薄れたことですね。

実際、東京市場では中国関連株の安川電気やファナックなどの値上がりが目立ちました。市場参加者は儲けることしか関心がないですから、あくまで海外要因で動いたということです。また、年度初めということもあって、機関投資家ができるだけ早めに利益を確保したいという思惑が働いたのも大きい。その後少し下がったのは、上がったところでさっさと売りに出したというわけです。

こういうドライな理由を考えると、平成の始まりに『ご祝儀』を出せるような余裕があった30年前とは隔世の感がありますね」