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2019年はIPO祭り、「ユニコーン企業」優良銘柄はここに注目!

次のアマゾンが生まれる可能性あり
石原 順, マネクリ プロフィール

VC投資額は「倍以上」

では、今年はどんな1年になるだろうか。金融情報データを提供するPitchBookの記事 ”The hunt for public unicorns 公開するユニコーンの獲得” と ”The unicorns are coming (to Wall Street) ユニコーンがウォール・ストリートにやってくる“ から読み解いていこう。

現在のベンチャー企業を取り巻く環境として特筆すべきことは、市場に出てくるユニコーン企業の数が増えていると言うことだけではなく、それらを支援する投資家の数も増えているということである。

例えば、Microsoftが1986年に公開した時、資金を出していた機関投資家は1社だけだったが、今日のユニコーン企業は最低でも50社のVCなど、投資家に支えられている。ウーバーではなんと100もの投資家が名を連ねているという。

世界的な金余りを背景に、潤沢な資金がベンチャーキャピタルなどの投資家に集まっており、ベンチャー企業への投資が加速している。結果として非上場にも関わらず、評価額が10億ドルを超えるようなユニコーンと呼ばれる企業が数多く誕生しているのである。

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過去においては、ウーバーのような会社は、その評価額が欧州の小国のGDP程度に拡大するずっと以前に公開していたはずであろう。米国でのVC投資数は2009年から2015年の間に倍以上に拡大、取引の価値は272億ドルから830億ドルに増加したという。

 

したがって、今日、ユニコーンへの投資はかつてのようなリターンを生むものにはならなくなっている。すでに現在のユニコーンのバリュエーションには将来価値が組み込まれているのである。

ベンチャー投資の世界では1つの成功が他の失敗の投資を埋め合わせすると言われている。投資家はポートフォリオの中で1社でも成功すればリターンが取れるため、下手な鉄砲とばかりに数多くの投資を行っているのであろう。

Long Shotのゴールを目指す「勝ち組企業」

ユニコーン企業の中には戦略として、ウーバーやリフトのように利益よりも市場シェア拡大のためにトップラインの伸びを重視しているところも見受けられる。ちなみに、2018年の売上と純損失から単純掲載すると、ウーバーの場合は100ドルの売上に対して約16ドルの損失、リフトは42ドルの損失である。

値上げをしない限りは利益が上がらないが、まずは、ライドシェアサービスを拡大することによってタクシーのような競争相手を淘汰し、そこから価格を上げる方向に動くのかもしれない。

ネットフリックス(ティッカー:NFLX)はそれぞれの市場でまずは低い視聴料で顧客を獲得、ある程度のマーケットが取れた時点で視聴料を引き上げる戦略をとっている。

ではどんな企業に投資すれば成功物語となるのか。

それはLong Shot的なゴール(達成が難しいと思われるゴール)を持ち、それが達成された場合は社会的な影響力を発揮できるアイデアを持っているCEOがいる会社に投資することであろう。いまや時価総額で世界トップを争うアマゾンが良い例になろう。

アマゾンは単なる本の小売にはとどまらず、多くの産業に変化をもたらしてきた。そしてその革新は今も続いている。

因習を打破するようなトップは変人扱いされ、最初はなかなか一般からの理解を得にくいところがある。ただ、スティーブ・ジョブズやジェフ・ベゾスのように、今までの常識を打ち破るCEOが何かにとりつかれたかのように取り組むところにこそ何かが起きる。一般の投資家にとって難しいのは、彼らの言うことを正確に理解することができないと言うことだろう。

単なる偶然なのか、それとも次の不況がやってくる前の駆け込みなのか、今年は多くのユニコーンが上場をすることになる。