70歳から「生命保険」を使って相続税を減らす、その知られざる手口

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「外貨建て」より「円建て」

一時払いの終身保険には、円建てと外貨建てのものがある。後者はリスクが高く、元本割れの可能性もあるとして金融庁が問題視している。

「最近は外貨建て保険が話題になっていますが、手を出さないほうが賢明です。たとえば、ドル建ての場合、購入時に円からドルに替えるときと、受け取り時に円に戻すときに2度、為替手数料を取られます。しかも、為替リスクがあって、円高ドル安になると、受け取る保険金が少なくなってしまいます。

もちろん、円安ドル高になれば、増える場合もありますが、相続対策のために入るのであれば、受け取れる額が決まっているほうが安心でしょう。円建ての終身保険を利用するべきです」(前出・長尾氏)

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具体的な商品名を挙げると、日本生命の『マイステージ』や第一フロンティア生命の『プレミアプレゼント』、マニュライフ生命の『未来につなげる終身保険』といったものがある。これらの中には外貨建てを選べるものもあるが、リスクを避けるために、円建てを選ぶほうがいい。

 

妻も入るべし

金融コンサルティング会社アレース・ファミリーオフィス代表の江幡吉昭氏は妻も生命保険に入るべきだと話す。

「夫がそれなりの生命保険に入っていても、妻は最低限の保障しか入っていないケースが少なくありません。しかし、樹木希林さんの例もありましたし、妻が先に死亡する場合もあります。経験から言えば約4分の1の確率で、妻のほうが夫よりも先に死亡します。こうした事態に備えるために、妻名義の資産があり、家計に余裕がある場合は、妻も非課税枠いっぱいの生命保険に入ることは有効でしょう」

父が亡くなったときに子が受け取る保険金が枠内で非課税になるだけでなく、母が亡くなったときにも子は非課税で受け取ることができる。ダブルで非課税枠を活用できるわけだ。

ただし、夫が妻に代わって保険料を支払うと、贈与になる危険がある。それを避けるために、いったん妻名義の口座にカネを振り込み、そこから妻が自分で保険料を振り込めばいい。年額110万円以下なら暦年贈与の非課税枠に収まるため、贈与税もかからない。