私は15歳の時にスカウトをされ、モデルの仕事を始めました。身長が171cmとそこまで高くないので、アジアを中心に日本をはじめ台湾や中国、数年間はNY、パリなどで雑誌・広告・CM撮影やファッションショーなどの活動をしてきました。現在はラジオパーソナリティーとしてお仕事をさせていただいています。

2児の母親となったいま、「娘さんにもモデルをやって欲しいですか?」と聞かれることがよくあります。

改めて自分の経験を振り返ると、若くから芸能やモデルの業界で働くことで得られるものが大きい反面、ともすると回復しきれない心の傷を負うこともあると感じています。モデルやアイドルもどんどん若年化している現代だからこそ、その「危険性」についてきちんと知っていただきたいと思い、この原稿執筆に至りました。

そう語るのは、モデルでラジオパーソナリティーのMIOさん。15歳デビューから36歳の今までモデルとして多くの女性誌やCMで活躍、現在はTOKYO FM「シンクロのシティ」のパーソナリティを務めている。芸能の世界は華やかだし、憧れる女の子たちは多い。だからこそ、いま5歳の女の子を育てているMIOさんは「モデルになることの両面」をきちんと伝えたいという。
MIOさんが遠藤初子氏の専属モデルをしていたころのポスター 写真提供/MIO

「若さが武器になる」怖さ

女の子の憧れの職業によく挙げられる芸能やモデルというお仕事ですが、これらは他の職業よりも若いうちに始めることが多いです。若さは「武器の一つ」でもあるからです。

運良くティーンエイジャーの早期からモデルとして活動できると、早くから大人たちに囲まれ、プロフェッショナルの仕事に触れることができ、大いに成長することができます。
しかし、自我の確立の前半戦に居るティーンエイジャーにとって、その環境が必ずしも良い影響を及ぼすとは限らないのです。

ちなみに、「自我の確立」とは、”自分は何があろうとどんな者であろうと自分なのだ”と認めることです。確立に至るには、自分を大切にし、自尊心・自己肯定感を高めていく必要があります。

芸能界のように経歴の年数や上下関係の厳しさなどがあまり関係のないモデル業界では、礼儀がきちんとしている方ももちろんたくさんいますが、経歴の長い方に敬意を払うことやスタッフの方々への感謝などといった社会人として常識的なことを教育されることがほとんど無いため、人気次第で奔放に振る舞うモデルも多くいます。

人気さえあれば、周囲の大人たちからちやほやされ、人によってはわがままもなんでも許される環境になることも。そうなると、自我が確立されていない子どもにとって、自分の能力を拡大解釈してしまう危険性があります。

人気とともに実力と自信をつけて、評価に左右されずに経験を自分のものにできる能力を持っていれば浮き沈みの激しい世界であっても自我を保っていられるでしょう。

しかし、ちやほやされてしまうことで、「人気が自分の存在価値」であり「自我」であると認識してしまうと、人気がなくなったときや、太ったりオーディションに落ち続けたりすることで自信を喪失してしまい、自己肯定感が失われていきかねないのです。