王貞治さんは「王シフト」をどう考えていたか。本人に聞いてみたら…

シフトはスラッガー冥利に尽きる

吉田シフトの効果

極端な守備シフトを敷かれるのは大物の証拠です。開幕カードのオリックス3連戦、北海道日本ハムは4番・吉田正尚選手に対し、三塁手を一、二塁間の後方に置くという大胆なシフトを敷きました。3連戦の合計が13打数1安打だったことを踏まえれば、その効果は小さくなかったということでしょう。

吉田選手は昨シーズン、143試合にフル出場を果たし、打率3割2分1厘、26本塁打、86打点を記録したリーグを代表するスラッガーです。3月の強化試合では侍ジャパンの4番に座り、満塁ホームランを放ちました。スイングスピードの速さとフォロースルーの大きさは、18.44メートル先のピッチャーに威圧感を与えるに十分です。

日本ハムが極端な守備シフトを敷いたのは、もちろん打球方向のデータを踏まえてのことですが、精神的な動揺を誘おうという狙いもあったのかもしれません。

 

ところで極端な守備シフトの代表例といえば「王シフト」です。広島の白石勝巳監督(当時)が考案したシフトで、1964年5月5日、後楽園球場で初めて披露されました。

白石さんは巨人第1期黄金時代の名ショートで千葉茂さんとの二遊間コンビは「水も漏らさない」と評されるほどの鉄壁ぶりでした。

千葉さんはこう述べています。

<ワシが二塁に入ってから、片手では数え切れんくらいのショートとコンビを組んだ。初代の白石から最後の広岡(達朗)まで、そのなかで誰と一番やりやすかったと聞かれれば「ワシにとっては、やっぱり白石以上のショートはおらん」と答えることにしている。>(千葉茂著「巨人軍の男たち」東京スポーツ新聞社)