freee佐々木大輔CEO

ベンチャー企業の雄・freee佐々木大輔CEOの働き方と金銭哲学

20代は貯金より借金をしなさい

僕はサラリーマン時代に500万円の借金があった

クラウド会計ソフトや人事労務管理ソフトを提供すfreee(フリー)は、ベンチャー界でもいまや大注目株だ。次のユニコーン企業(評価額10億ドル以上非上場企業)とも目されている。「スモールビジネスを、世界の主役に。」を企業ミッションに掲げ、人工知能(AI)技術を使った最先端の機能開発や金融機関との連携により、バックオフィス業務効率化のソリューションを提供している。

2019年1月には、全国253の信用金庫とAPI(ソフトウェアを一部公開して、他のソフトウェアと機能を共有できるようにしたもの)連携することなどを発表して、大きな話題となった。

そんなfreeeを率いるのが佐々木大輔CEO(最高経営責任者)、38歳である。一橋大学商学部を卒業後、博報堂やベンチャー企業、Googleなどを経て起業した。500名を超える従業員を率いる若き総帥に仕事とお金の「哲学」を聞いた。

――マネー現代ということで、まずはお金に関するお話をうかがえればと思います。佐々木社長は、お金や資産運用についてどんなイメージを持っていますか。

佐々木 お金、資産運用ですか? まず、資産運用って苦手ですね。関心がまったくないわけではないのですが、お金に頑張って稼いでもらうくらいなら、自分自身がそれ以上に頑張って稼いだほうがいいという意識が強いですね。今は金利が低すぎるということもあるのかもしれません。すみません、媒体の趣旨に合わなくて(笑)。

実は、僕は、20代のころは「超」がつくくらい積極的に借金をしていたんですよ。

――ええっ? それは意外ですね。なぜですか?

佐々木 博報堂で働いていたときのクライアントが消費者金融だったということもあったのですが、サービス研究の一環というか、借金をする生活というか、そういった生き方も広めていかなければならないと思い込んでいた。それならば、まずは自分が率先して借金をしてみよう。半ば自己暗示的にそうしていました。

品川区の本社でインタビューに答える佐々木氏
佐々木大輔(ささき・だいすけ)freee株式会社CEO(最高経営責任者)
1980年生まれ。一橋大学商学部卒。専攻はデータサイエンス。Googleで、日本およびアジア・パシフィック地域での中小企業向けのマーケティングチームを統括。Google以前は博報堂、投資ファンドのCLSAキャピタルパートナーズにて投資アナリストを経て、レコメンドエンジンのスタートアップであるALBERTにてCFOと新規レコメンドエンジンの開発を兼任。2012年7月freee株式会社を設立。

日本では、キャリアを積んでいけば給料は上がっていきますが、20代の人が貯金するという感覚はちょっと理解できなかったこともありました。むしろ、積極的に借金したほうがいいのではないか。そして、やりたいことをやってみるべきだと思っていました。

結婚して、子供が生まれたりするとお金もかかるし、だんだんやりたいことができなくなってきますよね。そうなる前に、お金を借りて自分に先行投資するという生き方もあるのではないかと思っていたのです。

まあ、自分は事業展開も含めて、先行投資するタイプかもしれませんね。

 

――先行投資ですか。具体的には投資をされたのですか?

佐々木 いやあ、友人、知人の結婚式のご祝儀とか(笑)。

――それは先行投資とはいわないのでは?

佐々木 まあ、確かにそうですが。当時は、友達は大事にしようと(笑)。

――どのくらいの借金をされたのですか?

佐々木 仲間と飲むとか、スタートアップに入ったときとか、株を最初に買うという話などもありました。複数の金融機関から限度額いっぱいまで借りた。総額で500万円くらいかな。その後、5年くらいかけて返済しましたね。