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コンビニ経営難のホントの原因は「24時間営業」ではなかった

ドミナント戦略は行き詰まったか

コンビニ最大手のセブン-イレブンが営業時間短縮の実験をスタートした。当初、セブンは24時間営業を堅持する方針だったが、深刻な人手不足から営業時間の短縮を望む加盟店が増えており、実証実験の結果次第では、店舗ごとに営業時間を個別に設定する可能性も出てきた。

今回の実証実験は、加盟店からの声を受けたものだが、経営が苦しい加盟店が増えているのは24時間営業だけが原因ではない。限られた商圏の中で過剰な出店を行い、市場が飽和したことも大きく影響している。

ここを改善しない限り、加盟店の経営はラクにならないだろう。24時間営業の見直しの有無にかかわらず、今後は店舗数の削減や、体力のあるフランチャイズ加盟店への集約が進む可能性が高い。

 

経営難の真の原因は24時間営業ではない

セブン-イレブン・ジャパンは2019年3月21日から、全国の直営店10店舗で営業時間を短縮する実験を開始した。同社では数ヶ月間、実験を続け、利用者の反応や売上高の推移を確認するとともに、商品の配送や店員の業務にどのような影響があるのか検証を行う。

同社ではあくまでも24時間営業を堅持する姿勢を崩していないが、実証実験の結果次第では、店舗の状況に合わせて柔軟に対応する可能性もある。

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このところコンビニの24時間営業については国民的な議論となっている。

同社が実証実験を行うきっかけとなったのは、大阪府にある加盟店が深刻な人手不足から営業時間の短縮を実施し、契約内容をめぐって同社と対立したことである。全店舗において24時間営業が強制されていることが、一部の加盟店の経営を苦しくしているのは事実だが、加盟店の経営問題の根底にあるのは24時間営業ではない。

コンビニのフランチャイズ加盟店と本部の契約内容は、店舗開設に必要な土地や費用をどちらが負担するのかによって異なるが、場合によっては粗利益の50%程度(場合によってはそれ以上)を本部に支払うケースもある。

セブンの場合、1店舗あたりの平均的な月間売上高は約1900万円なので、商品の販売によって平均570万円の粗利益が得られる。この半分が本部に徴収されるので、店舗オーナーの手元に残るのは285万円しかない。店舗オーナーは、この中から自身の給料やアルバイト店員の給料、その他経費などを支払うので、場合によっては利益がほとんど残らないこともある。

それでも市場の拡大が続いた時代には、毎年、売上高が増え、加盟店オーナーも何とか経営を続けることができたが、ここ数年は、店舗あたりの売上高鈍化が鮮明になっている。最大の原因は「店舗を出店しすぎたこと」である。