かまくらのような形をしている住まい

若き冒険家、アフリカで「ピグミー族」に会いに行く

ヤバい悪路を乗り越えながら…
ひょんなことから西アフリカのカメルーンで暮らすことになったおれ。家を探して暮らしはじめ、現地の人と鬼ごっこをしたりもした。そして面白い冒険を思いつき……。
第一回はこちら:20代の日本人冒険家が「ピグミー族と自給自足生活」の旅に行くまで

ピグミー族が暮らす村へ向かったが…

カメルーンでピグミー族と一緒に暮らしたいと考え、おれは小型の長距離バスに乗り込んだ。そこまでは良かったが、彼らが暮らす「ンジャンゲ」村への道は険しかった。

舗装されていないデコボコの泥道が果てしなく続き、途中の大きな水たまりでは車体が4分の1ほど水没した。

酷い時は車が水たまりの中へ引き込まれて身動きが取れなくなるので、その度に運転手がハンドルを小刻みに切ってタイヤを動かし何とかバックして、道の両端から飛び出している枝をフロントガラスにぶつけながら水たまりを避けて進んだ。

板を渡しただけの簡易的な橋を、大人が十人ほど乗った車で渡らなければいけない時もあった。ところどころ板が途切れていて穴があり、素人目に見ても強度に問題がありそうだったが、車は無情にも減速せずに突き進む。

橋を渡る直前、一緒に乗っていた少年がフランス語で「もうおしまいだ……」と言っていて、大人たちはそれを鼻で笑っていた。……が、橋を渡り切った直後、大人たちは車を急停車し、橋のようすを見に戻って口々にこう言いあった。

「危なかった……」

やはり、一か八かの賭けだったようだ。橋を渡る前に一旦停車して相談した方が良かった気もするが、仮にじっくり考えたところで安全性に自信は持てなかっただろうから結果オーライだ。

 

そして、何度かバスを乗り換え、悪路を進むこと約14時間。日が沈み辺りが真っ暗になった頃、おれはンジャンゲの手前にあるメソクという小さな集落に到着した。

ここからンジャンゲへのバスなどはなく、歩くにしても距離があるので今夜はここで野宿だ。

ちなみにここはバンツー族の集落だが、ンジャンゲのピグミー族を管理しているのは別の集落なので、ピグミー族と暮らしたいと頼みに行くのは明日になる。ビザや航空券の問題があるから滞在できるのは15日程度だろうか。

何にせよ明日に備えるべきなので、集落の隅にあった木に腰かけて体を休めることにした。ここまで乗って来たバスは引き返してしまっていたので、知り合いは誰一人この集落に居らず安全な状況とは言い難い。

しかし、集落の雰囲気からは危険な臭いを感じなかったので大丈夫だろう。少し離れた所に止まっているトラックでは運転手がのんびりと車中泊の準備をしており、少なくとも強盗や殺人といった凶悪犯罪は無いだろうと思えた。

念のため耳だけは緊張させ起こしておいたまま、目を瞑り仮眠をとる。これまでの野宿生活で培った、野外で安全に眠るための基本スキルだった。