2019.04.09
# 韓国経済

韓国がいま「外国人労働者」の受け入れでトラブル続出しているワケ

移民政策は本気度が問われている
金 明中 プロフィール

日本が直面する「悲劇的な課題」

ここまで韓国の外国人労働者の受け入れ制度である「雇用許可制」の問題点を見てきた。しかしこれだけの問題を抱える韓国の雇用許可制が、世界に比べて劣悪な制度なのかといえばそうではないのである。雇用許可制に対する海外からの評価は実は高いのだ。

ILOは2010年に雇用許可制を「アジアの先進的な移住管理システム」と高く評価し、2011年6月に国連は、腐敗防止及び剔抉(てっけつ)に対する革新性を認め、「公共行政大賞」を授与した。さらに2017年4月に世界銀行は、「雇用許可制は、情報アクセス性を容易に、アジア太平洋地域の外国人労働者の韓国での就業機会を大幅に増やした」と高く評価している。

 

にもかかわらず、韓国でトラブルが山積している現状は、外国人労働者の受け入れがいかに難しいかを示している。つまり外国人労働者の受け入れは、「アジアの先進的な移住管理システム」を持ってしても、なお不断の改良、改善が要求されているのだ。

日本ではこの4月から新たな在留資格制度の運用が始まり、5年間で外国人労働者約35万人の受け入れを見込んでいる。しかしその受け入れ体制はあいまいで未整備であり、議論は昨年の国会通過後に沈静化した。まだまだ国民的な議論には至ってはいない。

韓国の先行事例は、日本において入念な取り組みなしに外国人労働者の受け入れを行えば、悲劇的な課題を抱えることになることを示しているのだ。

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